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「おかえり〜」
「まだやってるの?」
獣耳カチューシャを取りに行ってだいぶ経つ。
TVに映るゲーム画面。
既にレベルは100を超えていた。
私は70で終わったのに100超えるとか…。
「それ得意なんだ?」
「べつに〜こんなの簡単じゃん」
「ふぅん」
泉の背後に近づき獣耳カチューシャを装着。
「なに?カチューシャ?」
「うん」
思ったほど反応は示さなかった。
ゲームに集中しているようだ。
流石にそんな器用ではないか。
TVの横へ行き携帯のカメラアプリを開く。
「ちょっと、なにやってんの?」
「べつに、手が離せないだろうから写真撮って見せてあげようと思って」
獣耳カチューシャを着けた泉の写真を撮った。
「そんなの要らないから。あいつらが起きて来ないうちに取って」
「自分で取りなよ」
そう言いながら先程撮った写真を泉に見せる。
「どう?犬耳」
写真を見た泉の動きが止まった。
「は?」
「猫耳もあるよ」
「いや、何それ。何撮ってんの?早く消してよ」
「やっぱ瀬名は猫耳かな」
「人の話聞いてる?」
泉の言葉を無視して1人写真を眺める。
「ねぇ、眺めてないで消して」
「やだよ」
「やだじゃない」
「じゃあ、私のうさぎのやつ消したら消してあげる」
そう言うと泉は言葉を詰まらす。
「もういい、自分で消すから携帯貸して」
獣耳カチューシャをテーブルに投げこちらに迫ってきた。
「絶対やだ」
「あっ、ちょっと!」
携帯をポケットに入れ泉から逃げる。
「A」
「瀬名がうさぎのやつ消さない限りこの写真は消えません〜」
「へぇ」
何故か笑顔で近づいてくる泉。
「な、なに」
「女が男に勝てると思ってるの〜?」
「そういう固定観念は捨てたほうがいいと思いますけど〜」
「こっちも体術やらされてるから〜」
「たったあれだけで私より強いと?」
「たったって…Aが普段やってる倍はやらされてるけどぉ」
倍?
素人にいきなりそんなキツイ事させる?
まぁできるだけ自分の身は自分で守ってもらいたいけど。
「で?俺と鬼ごっこやるの?」
「いい暇つぶしになるじゃん」
「ふぅん」
こうして泉とAの一対一の鬼ごっこが始まった。
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作者名:ねこ | 作成日時:2018年4月1日 20時