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あぁもう、なんで俺が錦織に付き合わなきゃいけないわけぇ?




「ていうか遅すぎ」




店の前で慎也を待っていると少し離れた所で立ち止まっているAが目に映った。

慎也をただ待つのは退屈なのでAに話し相手になってもらおうと近づく。

すると。






「遊びません」

「いいじゃん、暇でしょ〜?」

「貴方ほど暇じゃないんですけど」




どうやらナンパをされているようだ。




うわっ……あいつナンパされるんだ。

まぁ結構整った顔してるもんねぇ。




そんな事を考えていると男がAの腕を掴もうと手を伸ばす。

その手をAは思いっきり振り払った。




「痛えな、なにすんだよ」

「人の体に勝手に触れようとしたからでしょ。自業自得」

「んだと、このクソアマ」




男がAに手をあげようとしたのをギリギリのところで止める。




「ちょっと、ナンパに失敗したからって手をあげるとか恥ずかしくないわけ?」

「おぉ、先輩ナイスタイミング。じゃあ私はこれで」

「いやいやいや、何知らぬ顔して去ろうとしてんの」




その場から立ち去ろうとしたAの服のフードを引っ張る。




「別に良いじゃん、もう私に用事無いでしょ」

「俺はあるから」

「はぁ?…ってさっきの男どっか行っちゃってんじゃん」

「ん?」




Aにそう言われ男がいた方を見ると男の姿はなかった。




「あぁ、ほんとだねぇ」

「うん、じゃっ」

「だから何帰ろうとしてんのって」




また去ろうとしたAの服のフードを引っ張る。




「も〜なに?」

「錦織の付き添いで来たんだけど暇だからさ、ちょっと話し相手になってよ」

「へぇ慎也とねぇ」

「そ〜あいつ店からなかなか出てこないからさぁ」




そんな話をしながらお店に戻るとちょうど慎也が店内から出てくるところだった。




「ん?Aじゃん、なにやってんの?」

「散歩」

「とか言って散歩はついでだろ」

「あらぁバレた?」




楽しそうに話す二人を見て少し苛立つ。




さっきまで俺と話してたのに。




「んで?買い物は終わり?」

「あぁ」

「そっ、じゃっ」




Aが立ち去ろうとした時。




「ついでにAん家で飯食ってく」

「えぇ」

「良いだろ、泉も来るか?」

「えっ」




慎也の誘いに戸惑う。




「来るならおいでよ」

「ん〜」

「はい、決定〜」




行くぞ〜っと前を歩く慎也に続き二人も歩き出した。

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作者名:ねこ | 作成日時:2018年1月1日 20時

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