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「やっほ〜龍也くん」

「あ、お姉ちゃん!」




病室に入ると一直線にAの元へ行き飛びつく。




「わぁ〜元気だね〜」




そう言って龍也を抱き上げる。




「えへへ〜」

「病院のお姉さんたちの言うことちゃんと聞いてる?」

「うん!」




良い子だねっと龍也の頭を撫でゆっくりと下ろす。

すると龍也は一緒に来ていた泉の方へ駆けていく。




「お兄ちゃん!」

「ん〜?」

「だっこ!」




えっと驚く泉だがしょうがないな〜っと言い龍也を抱き上げた。




「よかったね〜龍也くん」

「うん!」

「あら〜まるで我が子と触れ合う夫婦ね〜」




っと遅れて入ってきた梨紗がニヤニヤしながら言う。




「はぁ?!なっなわけないでしょ!」




顔を赤くし否定する泉はゆっくりと龍也を下ろす。




「あらあら、冗談よ」




笑う梨紗に苛立つ泉。

二人の様子を黙って横で見ていたAと龍也。

すると龍也が口を開いた。




「僕はお姉ちゃんとお兄ちゃんがママとパパだったらとっても嬉しいな!」




満面の笑みでそう言う龍也。

泉はAを見るがすぐに目を逸らす。




「そっか〜お姉ちゃんと女子みたいな喋り方するお兄ちゃんがママとパパだったら嬉しいんだね〜」

「ちょっと、今さり気なく貶したよね?」

「気のせいじゃない?」

「はぁ?」




楽しんでいるAに苛立つがその苛立ちはAの一言で消え去った。




「駄目だよ〜いずにぃ。そんな苛々してちゃ」

「………は?今なんて…」

「すみません、先生が少しお話があるようで…」




そう言い病室の扉を開ける看護師。




「あ、はい。わかりました」




ちょっと行ってくるねっと看護師と一緒に病室を出る梨紗。




「あ〜行っちゃった」

「ねぇお姉ちゃん、折り紙しよ」

「いいよ〜」




何を折ろっか〜っと龍也と楽しげに話すAを何か言いたげな表情で泉は見ていた。

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作者名:ねこ | 作成日時:2018年1月1日 20時

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