貴方の1番でありたい。 【ハリー・ポッター】

思いがここのつ ページ10

結果的に私は過去に来ていた。
魔法薬学の教室に入る寸前、私の手を引いていた彼は前を歩いていたグリフィンドール生を追い抜かそうとして転ばされた。手を引かれていた私も当然転んだ、ええ、もうそれはそれは派手に。まだ擦りむいた膝がひりひりする。

私の手を引いていた彼は瞬時に起き上がりすごい形相で睨みをきかせていた、私の後にいる人物等に。それから彼は怒りのままポッター、と怒鳴りつけた。ポッターと呼ばれた男をまじまじと見ると何処か見覚えがある、あの有名な新入生にそっくりなのだ。
ぴょんぴょん好き勝手に跳ねる癖毛に丸眼鏡、少し生意気そうな顔立ち、ただあの新入生と違うのは綺麗な緑色の瞳がこの少年はハシバミ色という事。まさかとは思うが、少年の隣に立っていた黒髪に整った顔をした少年がジェームズと呼んだことで確信した。
あぁ、此処は過去か、と。そして同時に私の手を引いていたのは教授の子供でも何でもなく本人なのだと。



「やぁスニベルス。可愛らしいレディと手を繋いで走っているだなんて普段からは想像もつかないな？」



言葉の端々に嫌味が篭っているような、というか可愛らしいレディと言いつつ私の事も一緒に睨んでいないか？この人。



「お前に関係ないだろ、もういいか、僕達は急いでいるんだ。」



と言って歩を進めようとするのをポッターは邪魔をした。



「お前達みたいに狡猾なスリザリンと一緒に授業だなんて不安で仕方ない、それにお前は特にな。」


『それは大層な言い掛かりね。面倒だから口出しする気はなかったけれど、スリザリンと言うだけでそんな態度取られるのは甚だ疑問だわ。それに今みたいに普通に教室に向かっている人に対して足を引っ掛けるだなんてそちらの方がよっぽど狡猾なのでは？』



本当に痛かったんだからこれぐらい言っても許されるはず。
てよりも少し驚いた事がある。私の世代ではどちらかと言うとスリザリンの方がグリフィンドールに対して幼稚な態度が多いのだが、この時代はグリフィンドールの方がスリザリンに対する態度が悪いのだ。

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