思いがはたちあまりやっつ ページ29
「少し我輩の話をするとしよう。」
私の話しを聞いていましたかとか、話を振ったのは貴方なのに違う話をするんですかとか、言いたいことはあったけど、教授のとても真剣な目に聞くしか選択肢はなかった。
「我輩にはリリーと言う初恋の人がいた。とても優しく勇敢で綺麗な人だ。いつもいつも助けられ情けなくも、嬉しかった。リリーがいればそれでよかったのだ。だがある日スリザリン寮で立ち竦む奴がいた。三年目にもなるのに我輩がそいつを見たのは初めてで、何故かはわからんが話し掛けていた。話してみれば可笑しな奴で、だが馬鹿みたいに魔法薬学が得意で箒使いも上手く、魔法も難なく使えていた。柄にもなくそいつといるのは楽しいと思えた。そいつは私の為に怒ってくれて、私を酷く愛おしそうに見るんだ。だが出会うのが突然ならば別れるのもまた突然。そいつは未来から来たと言っていた。それから、未来の私の事が好きだと言い放つ始末。未来の私には言えないからと私にそう言ったそいつは泣きそうな顔で好きだと言うんだ。失礼だとは思わんかね?そこにいる私に未来の私が好きだと言うんだ。だが、何故だろうな、聞かないという選択肢はなかった。更に失礼な事にそいつは私に杖を向けて自分に関する記憶を消すと言うのだ。私の記憶は私だけのものだ、他人に消されるなど不愉快極まりない上に記憶を全て消されるかもしれないと言う恐怖も少なからずあった、だがそれ以上に、私は初めて誰かといるのが楽しいと思えた記憶を消したくはなかったのだ。それから、未来と言うのを信じてみようと思ってな、そいつが現れるまで私は待つことにしたんだ。そしたらそいつは三年前、このホグワーツに入学して来た。なぁ、A、随分待たせてくれたな?」
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minyon(プロフ) - 読ませていただきました。もっと評価されるべき作品だと思いました!凄く素敵な作品に出会えて幸せです! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 542a84dab0 (このIDを非表示/違反報告)
黎亞(プロフ) - エースさん» 読んでいただきありがとうございます、楽しんでいただけたなら嬉しいです。 (2018年9月9日 21時) (レス) id: 6b044dd44f (このIDを非表示/違反報告)
エース - すごい!!こんな面白い素敵なお話を久しぶりに見ました! (2018年9月9日 13時) (レス) id: 51893507e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黎亞 | 作成日時:2018年8月23日 0時