思いがとおあまりむっつ ページ17
そんなこんなで午後の授業最初は飛行訓練だ。つまり箒の授業である。最初は箒を手に呼び寄せるところから始まった。だいたいの生徒は出来るのだが未だにこれが出来ない者もちらほら、その中にはセブルス・スネイプもいた。失礼だが見た目だけで言えば教授は運動が出来るようには見えなかったしなんとなく納得してしまった。
『セブルスくん飛行訓練苦手なの?』
「うるさい話しかけるな、気が散る。」
そうとう苛立っているようだ。ムキになっている。
まぁそんな姿もAは愛おしく可愛らしいと思っているのだから重症だ。
『集中してる時に話しかけられると気が散るのはわかるけど、そのままだと上手くいかないと思うよ?ムキにならず落ち着いて、それから他のことは考えない、箒を従えることだけ考えるんだよ。所詮箒は私達を乗せる物だからね、扱う側が正しく従わせなくちゃ。』
それを聞くとセブルスは自分でもムキになっていた自覚があるのか深く深呼吸をして言われた通り落ち着いてから威厳ある声で上がれと言った。別に声まで変える必要はないんだけどな、と思いつつも箒が無事上がったのを確認してAが静かに微笑んだのに対して、セブルスは余程嬉しいのか目をキラキラさせながらAに話しかけた。
「あ、上がったぞ!A!箒が上がった!!」
『そうだね、よかったねセブルスくん。』
セブルスに比べて穏やかに喜んでいる様に見えるのだがAの心中は全くもって穏やかではなかった。
まってスネイプ教授むちゃくちゃ可愛い!箒が上がっただけ(失礼である。)でこんな喜ぶ?しかも名前で!呼んでくれるこの素晴らしさ!教授の口から教授の声で私の名前が聞こえる!なんて幸せなのかしら!(以下略
と言った具合にだいぶ拗らせていて開心術などされたら飛び降り案件待ったなしだ。
「コホン。まぁ、なんだ、アドバイスありがとう。」
流石に喜び過ぎたと思ったのかひとつ咳払いして落ち着きを取り戻したセブルスくんは少し照れ臭そうにお礼を述べた。
『いえいえ、役に立てて嬉しいよ。』
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minyon(プロフ) - 読ませていただきました。もっと評価されるべき作品だと思いました!凄く素敵な作品に出会えて幸せです! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 542a84dab0 (このIDを非表示/違反報告)
黎亞(プロフ) - エースさん» 読んでいただきありがとうございます、楽しんでいただけたなら嬉しいです。 (2018年9月9日 21時) (レス) id: 6b044dd44f (このIDを非表示/違反報告)
エース - すごい!!こんな面白い素敵なお話を久しぶりに見ました! (2018年9月9日 13時) (レス) id: 51893507e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黎亞 | 作成日時:2018年8月23日 0時