第31話 ページ31
*
交際を始めて五年。
いろんな問題に悩まされながらも、やっとAさんと恋人らしいことができるようになった。
自分の仕事のことを彼女に告げることも、溜め込んでいた想いを昇華することもできた。
毎日が幸せで仕方が無かった。
…幸せであるが故に、忘れかけていたのだ。
私の仕事が、″死″と隣り合わせであることを。
***
「────…人間だよ。」
いや、″元″人間と言った方がいいかな。
スピーカーから家入さんの淡々とした声が聞こえる。
分かり切っていたこと、しかし信じ難い事実に頭が痛んだ。
虎杖君と臨んだ、あの映画館での戦闘。
そこで対峙した、呪霊を模した″改造人間″の存在。
消えない死体。
助けを求める呻き声。
まるで悪夢を見ているようだった。
目の前にあったはずの幸せな光景が、一瞬にして消え去る様な感覚に襲われる。
虎杖君にこれからの事を説明している時も、脳裏にはAさんの笑顔がチラついていた。
────…彼女をまた、危険な目に遭わせてしまうかもしれない。
彼女が呪霊に襲われたあの日。
顔を真っ青にして、大きな瞳を涙で潤ませたAさん。
抱えた彼女の体は恐怖で震えていた。
もう二度と、あんな思いをして欲しくなかった。
もう二度と、あんな思いをしたくなかった。
だから、
「気張っていきましょう」
虎杖君を鼓舞するためのその言葉を自分に言い聞かせるように口にした。
*****
お久しぶりです、emiです!
お話の続きに迷いに迷い、更新が遅くなってしまいました。申し訳ありません…!
これから少し原作に沿いながらお話を進めていくのですが、だいぶ時系列がバラバラになってしまっています。ご了承ください!
(虎杖が七海と会う時期とか、『ナナミン』呼びを始める時期とか)
これから今までより更新頻度は上がると思います!あまり自信はありませんが!
これからも、まだまだこの作品をよろしくお願い致します!
1417人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
森 - ↓なな…なんと… (2022年2月24日 23時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - 森さん» 森様、てぇてぇ頂きました!笑 お察しの通り最後のシーンはハロウィンの直前でございます…これからの二人のことはご想像にお任せ致します… (2022年2月21日 12時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
森 - てぇてぇな〜‼ ところで、これは2018年でしょうか?(ハロウィンもあっちゃったりしちゃいます?) (2022年2月19日 1時) (レス) @page3 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - emiさん» ひぇ、、なんと……(震」 (2022年1月27日 18時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - たろ。さん» たろ。様、コメントありがとうございます!何だかんだ五条先生は後輩思いだよなという私の解釈を盛り込ませていただきました笑 実はこのお話の後、あのハロウィンが来てしまうのです……(トラウマ) (2022年1月27日 17時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:emi | 作成日時:2021年3月3日 6時