胡蝶の継子 (ページ16)

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十六修行日記其ノ壱ページ16

一年目

まずは、基礎体力づくりから始まった。
毎日裏山の山頂から麓まで五十周、それから時間が余るようになったら木刀で素振りをした。

半年が過ぎた。
「さあ、そろそろ呼吸の習得にむけて、技術指導をしていくわ」
「はい、師範！」
カナエさんのことは、師範と呼ぶようになった。
普通はそういうものらしいのだ。
「まずは呼吸の仕組みについて説明するわね。呼吸っていうのは、肺にたっくさんの酸素を送り込むの、つまり思いきり息を吸う。すると、身体能力が著しく跳ね上がるの。その状態で、技を繰り出すと、それが型になるわ」
「へえ。全くわからんです、師範」
「それを今から教えるのよ。はい、じゃあ木刀持ってー」

私は花の呼吸に適していたのか、めきめきと腕をあげ、この年の終わりには、肆の型までを扱うことができるようになった。

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