我妻善逸、ヨコハマに来た【鬼滅の刃】【文豪ストレイドッグス】

問２０:死ぬの？ 死ぬよ？ 死んじゃうよ？？ ページ19

夜。太宰はウキウキとした顔で薄暗い道を歩いていた。それと対照に善逸はボロボロと泣いていて、へっぴり腰になっている。敦の腰に張り付いていて、正直邪魔なのだが、気の弱い敦はそんなこと言えなかった。

橋の上での混沌。あれの理由は太宰が善逸に告げた事だった。

『我妻君には入社試験を受けてもらうよ』

どんな入社試験なのか、と善逸が問えば死にそうな感じのやつ、と返ってきた。そこでパニックになった善逸は通りすがりの女性に求婚する。

最初はそれを見て遊んでいた太宰だが、途中から暇になってきたのだろう。太宰も加わり、通りすがりの女性に心中を申し込み始める。そして騒ぎになり、武装探偵社に連絡が入って国木田の雷が落ちた、と言うことだ。

そんなこんなで日も落ちてきて、暗い道を歩いている一行。太宰曰く「ここら辺に出る」との事だ。


「で、出るってもしかして…ゆゆゆ、幽霊とかじゃないよね！？ ダメだよ、呪われる、体乗っ取られるよ！！」
「ははは！！ 鬼は大丈夫なのに幽霊はダメなのかい？ 面白いねえ、我妻君は」
「面白くねぇし、大丈夫でもねぇよ！！」


顔をぐしゃぐしゃにしながら叫ぶ善逸は最早哀れに見えてくる。そんな茶番をしていた時だった。急に善逸が敦から離れる。


「善逸？」
「敦と太宰さん。俺の後ろから絶対に離れないで」


善逸には聞こえたのだ。『鬼の鼓動』と『鬼の足音』が。それも複数(・・)――。

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