案外手の掛からない子 ページ2
「君って案外手の掛からない子だよねえ。私、少し安心したよ」
「無月さんって案外手の掛かる子だよね。僕、貴方の将来が心配」
ジト目で云う治を見て無月は「ありゃりゃ5歳児に将来心配されちゃったよ」と笑いながら云う。
「…全然笑い事じゃないよ!毎度毎度気がつけば何故川に流されてるの!助けるこっちの身にもなってよ!!」
「んー、其れは無理な願いだねえ。私って昔から自 殺が趣味でねえ。一日一回はやっとかないと気が狂って仕舞うんだ」
「もう狂ってるよ」
「酷いなあ」
ケラケラと笑う無月はどうやら自 殺をやめる心算はさなそうだ。治は溜め息を吐く。
「其れに食生活も可笑しすぎ。何、一日一回、味の素か蟹カマ食べればいい方って。そんなだからヒョロヒョロした体付きになるんだよ」
「いいじゃない。ご飯の代わりにお酒飲んでるんだから」
「其れは代わりにならない」
「えー、君小言の五月蠅いお母さんみたいだなあ」
「無月さんのお母さんなんて御免蒙る」
「辛辣だ」と云って泣き真似をする無月を見て治はまた溜め息をつく。
「無月さん、よくそれで大人に成れたよね…」
「ふふっ、大人ってのはねえ、知識と柔軟性が有れば大抵生きていけるものだよ」
「其れはきっと無月さんだけだと思う」
「そうかなあ?」と云って笑う無月を見て治は何でこの人に拾われたんだろう。と思った。第一印象はこんなじゃ無かったのに、と。
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