蛞蝓からのお詫び ページ17
「手前…太宰、じゃねェな」
「やぁ中也。この前はお世話になったね」
ポケットに突っ込んでいた両手のうち、片手を上げニコリと笑いかけると中也は「チッ」と忌々しそうに舌打ちをした。どうやら隠す気もないらしい。
「太宰と同じ顔でそンな事すンな。気味が悪いし気色悪いンだよ」
「それは奇遇だ。実は私もそう思っていたのだよ」
「手前…!」とワナワナ震える中也だったがそれも数秒の事で。直ぐに茶番は終わりだ、とでも云うかのように真剣な表情になった。
「俺と手前が
中也はこういうのにきっちりする人間である。少なくとも太宰治と津島は同じ顔の筈なのに嫌な顔もせずに金を渡せるぐらいにはちゃんと出来た人間である。
中也から金を受け取る津島。「じゃあな」と去っていく中也の後ろ姿を見て引き止めた。
「待ちなよ中也。良ければ君も一緒にどうだい?」
津島はまるで何かを思いついたかのように、子供が大人に仕掛ける悪戯を考えたかのような顔で中也に告げた。
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wayu0112(プロフ) - こういう話好きです! (2019年11月8日 0時) (レス) id: 3e063600b4 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - とても面白かったです。更新楽しみにしています!! (2019年7月13日 22時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)
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