太宰が拾った少女【文豪ストレイドッグス】

殺人事件解決の日常 其の壱 ページ10

次の日の朝。いつの間にかソファーからベッドに寝かされていたウィリアムは太宰の声で起こされた。


「ふわあ」


ウィリアムが大きな欠伸をすると太宰はクスリと笑いながら「おはよう」とウィリアムに声をかけた。


「おはよう」
「ちゃんとおはようと返せるなんて凄いね」


真逆ちゃんと返ってくるなんて思ってもみなかった太宰は少し驚き乍云った。ウィリアムは嬉しそうに笑いながら「いくやくんが教えてくれたの」と云った。


「郁弥君、か…。ねえウィリアム」
「なーに？」
「今、近くに郁弥君は居るかい？」


太宰がウィリアムに聞くとウィリアムは頸を横に降った。


「もういないよ。たぶんかえってこない」
「どう云う事だい？」
「いくやくんじょうぶつしたの。だからもうかえってこない」


太宰は真剣な眼差しで「そうか」と云う。貴重な手掛かりが消えた。本当は彼にまた出てきてもらって凡てを話して貰いたかった。しかしもう此処に彼が居ないとなると其れは出来ない。

ウィリアムが不安そうな顔をする。其れに気づいた太宰は笑って「御飯食べに行こうか」と云った。

御飯を食べた後は武装探偵社に向かった。武装探偵社に向かう途中太宰はウィリアムに「今日は仕事が有るんだ。確りやりなよ」と云った。ウィリアムは「うん！」と大きく頷いた。

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