太宰が拾った少女【文豪ストレイドッグス】

闇の世界の日常 ページ35

「大変よリンタロウ。熱を出して倒れているヒトが沢山居るわ」
「そうだねえ。お陰で私達もこうして又医者をやっている」


白い白衣を着た黒髪の男、金髪の幼女にリンタロウと呼ばれた男は闇の世界を統べる者、ポートマフィアの首領(ボス)森鷗外だった。


「如何するの？」
「如何するの？ってエリスちゃん酷いなあ。判っているのに私に態々聞くなんて」
「だって今日はお買い物をする約束だったでしょう？其れなのに何もしないで指を咥えて此の戦争が終わる迄待ってるなんて厭じゃない！！」


エリスがそう云うと森は「ごめんよお、エリスちゃあん」と泣きながら云った。


「厭、じゃ無いんだよエリスちゃん。私達は何も出来ない。外に一歩出れば私達は熱を出し二歩出れば死んでしまう。何もしないんじゃあ無い。何も出来ないんだ」


森はそう云うとエリスの頭を撫でながら云った。


「大丈夫だよエリスちゃん。私達が態々間に割って入らなくとも此の戦争は直ぐに終結する」


「今は何もしないで戦争が終わるのを待つ。其れが最適解だ」そう森は云った。エリスは森に大人しく頭を撫でられる。さっき迄合わせていた目をふいと明後日の方向にやるとエリスは「仕方ないわね」と云った。


「判って呉れたかい！？エリスちゃん！！」
「お腹が空いたわ！ケーキが食べたいリンタロウ！！」
「判った！一寸待ってておくれよ、エリスちゃん！！」

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