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9-圧倒- ページ9

そして今。


私は隣の席の人の空気に圧倒されて、

…それがなかったとしても

無言で変わらずに小説に視線を落としたけれど。

にしても、なんでこんなにガン見されているの?

そして


…「…なぁ?」


って話しかけられて、

私はただ固まるしかなくなった。


びくびくしながら首を動かす。

彫りの深い顔。

綺麗な二重瞼。

見た目から華やかさが伝わってくるこんな人が

急に私に話しかけてくる意味が分からない。


『…はい…?』


なにか答えないと後々怖そうだから、

目は合わせないように、

それでも小さく返事をしてみる。


錦「俺、錦戸。名前は?

あ、苗字やなくて、下の名前」


『え?』


唐突に自己紹介されて、

そして名前を問われた。

怖い。

ただそれしか感情が沸いて来なくて、

それでも、


錦「名前。早よ?」


と急かされたので、


『…A』


それだけ言ったら満足したみたいで、

イヤホンはめて何事もなかったようにスマホをいじり始めてる。



…なんだったの?

なに?なんなの?



わけのわからないことに思考がぐるぐるとし始めて、

開いた本の内容なんて1ミリも入ってこなかったし、

章大くんが同じクラスだったことに気が付いたのは

その後しばらくしたてからだった。


安「亮!」


多分、新しいクラスなのに

いつもと変わらず挨拶して教室に入って来たであろう章大くんが

こっちに向かって歩いてくるからドキッとして、

その時に章大くんも同じクラスだと知った。


安「あれ?おはよ」


私に向かって言って来てるとわかるのは、

目の前で立ち止まっているから。


『…おはよ』


たまたま同じクラスだったから、

それで挨拶してくれただけ。

それくらいの意味だから。

そう思うのに、

またそうやって満足そうに微笑むんだね。

その顔をされたら、ドキドキが止まらなくなるのに。

私がドキドキしているのを通り越して、

隣の机に向かって


安「亮」


と声を掛ける章大くん。

イヤホンをしているから気付かない錦戸くん。

…このふたり、知り合い?

10-なぁ-→←8-進学・クラス替え-



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華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» どうなりますかねぇ(ノω`*)んふふ♪ もう、なるように…的な(´・ω・`) (2018年4月1日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - くはぁ、せつない…(´;ω;`)これからどうなるのかな…。 (2018年4月1日 6時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ひみささん、いつもありがとうございます(〃ω〃) 珍しく学生設定にしてみましたー♪ お付き合い頂けたら嬉しいです(〃ω〃) (2018年3月22日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) 高校生なんですね〜、黄色もあるんですね〜、色々楽しみです♪ (2018年3月22日 14時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華絢 | 作成日時:2018年3月22日 13時

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