ナンパの前にチキン南蛮食べようぜ。 ページ34
貴方side
若干無理やりではあるが2人で買い物に行くことになった。
が、どうしよう。
早速ピンチだ。
「………」
『………』
お互いそっぽを向いて話し出す様子はない。
ニャーン
「あ、ねこ…」
『あ、ホントだ』
「………」
『………』
気 ま ず い 。
待って待って待って。
こんなに気まずいものだった!?
買い物ってこんなに気まずい!?
話すことない!?
Why!?(脳内荒ぶり中)
『夕飯、何にします…?』
沈黙を破るために勇気を出した。
よ、よくやった…。
「ろ、ロールキャベツがいいです…」
『ステーキ買うお金ありませんしね。
そうしましょう。
カレーや、シチューはいつでも作れます。
そうとなれば、キャベツを買わなければ!』
「さ、行きますよ」なんて言って生き生きとるぅとさんの前を行く。
私の首には誕生日に贈られたネックレスが揺れた。
密かに気に入っていることは内緒だ。
『えーと、キャベツにお肉に…』
スーパーに着くとカートとカゴをセットで持って進ませる。
周りから見ると若夫婦に…なんて我ながらに気持ち悪いことを思い浮かべる。
『あ!』
あることに気がついて大声をあげる。
「どうしました?」
やばい、やっちまった。という思いを込めてるぅとさんの方を見る。
お、お助けぇぇえ。
『おっ、お財布、忘れました…』
がくり、という効果音が今にでも付き出しそうな格好をしてみる。
そんな私を傍らにるぅとさんはというと「テッテレーン さいふぅぅううう」と言いながらポケットから財布を取り出す。
「そんなこともあろうかと持ってきました!」
『すみません…私としたことが』
財布を家に忘れたことがないのが唯一自分の中で誇れることだったのに。
めちゃくちゃ残念。
「僕が払っときますから先に外にいてください」
そう彼に促される。
断る理由も特にないのでお礼を言ってから自動ドアの外で待つ。
特にすることも無いのでスマホを弄ってみる。
最近の若い子はキーボードーを打つのに数秒も掛からないから凄いなぁと感心してしまう。
『飲酒運転かぁ。
私車もってないけど免許は持ってるから気をつけなきゃなぁ』
そんな独り言を空中へ投げる。
すると地面に黒い影が3つ。
これはもしや…と思い顔を上げる。
すると背の高い女の子達がいた。
「ちょっとお姉さん。
私のメイク相手になってくれない?
お姉さんだとやりがいありそうだし」
「私には服を選ばせて」
「私にはネイルをさせて」
な、ナンパ…なのか?
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雨んぼ(プロフ) - 泣いちゃいました(笑)なんか、少し私と重なって、より一層泣きましたwwすっごく良かったです!これからも頑張ってください! (2022年5月11日 22時) (レス) @page48 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
葵音 - 泣いてしまいまいた。すご良くて、びっくりしてしまいました! (2022年1月26日 17時) (レス) @page43 id: c9207ab068 (このIDを非表示/違反報告)
元気に生きていたい! - はい!泣きましたァァ!!すごく良かったです!!!!! (2021年8月21日 18時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
アネモナ - 涙がでできました!私はマスク外したくないから外せって言われるの大嫌いですね (2020年5月24日 0時) (レス) id: 8d7833d063 (このIDを非表示/違反報告)
miko - なんか、本屋に売ってあるようなクオリティーでとても好きな作品です!凄く面白かったです! (2020年5月12日 0時) (レス) id: 6feb6d5170 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あはぴー x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=2bf929b5ed877904e3eb7e3aafbf136b...
作成日時:2019年4月4日 15時