少女漫画のキスシーンに憧れて、実際にされると寒気がする。 ページ4
貴方side
数秒の間を得てやっとの事で唇が離れる。
嗚呼、今こいつにキスされたんだ。
『お前…何して……！！』
「それが俺の今の気持ちだから！！」
そう言って村山は走り去って行った。
ここは少女漫画の世界なんかじゃない。
こんなのを望んでいるのは主人公だけだ。
唇の辺りを腕で擦る。
気持ち悪い
気持ち悪い
気持ち悪い
寒気がする。
何が「それが俺の今の気持ちだから！！」だよ！
ふざけんのも大概にしろよ！
「えっ、凄い、少女漫画みたい…」
「でもなんかキスされた方めっちゃ嫌がってない？」
「てか、ブスにあんないい男がキスするなんてありえない…」
「女の方がさせたんじゃない？」
「だよね〜、あんなブスの何がいいんだか…」
「男の気が知れないわ……」
嗚呼、色んな声が聞こえる。
手足が震える。
怖い
怖い
怖い
やっとの思いで平和な日常を手に入れた。
のに！
あいつのせいで…村山のせいで…！
走ってその場から逃げる。
噂されたかな。
写メ撮られたかな。
動画撮られたかな。
そんなこと何か気にせずに走る。
やっと、人気のない場所に辿り着いた。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ
次は電話だ。
スマホを見ると”ななもりさん”と映し出されていた。
『はっ…はい』
【あっ、Aちゃん？遅いようだけど何かあった？】
『いや、ちょっと人が多くて迷ってただけです…。』
我ながら酷い嘘だ。
【そうだったの！？大丈夫？】
『ええ、大丈夫でしたよ。
もうすぐ着きますんで、どこで集合します？』
【んー、じゃぁジェットコースターのところでいいかな？】
『はい、すぐに行きます。
それじゃ』
ﾌﾞﾂｯ ﾂｰﾂｰﾂｰ
『ふぅ……』
鞄から新品のマスクを取り出す。
口元に当て、耳にかける。
あるとないとじゃ全然違う。
やっぱりあった方が
落ち着く。
安心する。
スッキリする。
マスクはもう、私の一部だ。
なくてはならない。
「あっ、来た！」
莉犬さんが大声を出す。
『遅れてすみません』
「全然大丈夫やで！」
「うん、見つかってよかった」
と、他2人も微笑む。
大人だなぁ。
と、改めて実感する。
「よし、じゃぁ早速乗るで！！」
『これを…ですか？』
頬が引き攣る。
「そうだけど…もしかしてAちゃん…」
ななもりさんがこちらを苦笑いしながら見てくる。
『いや、別に大丈夫ですよ、はい』
「いや絶対怖いでしょ！」
怖くない、怖くない。
怖いと思った方が負けだから。
朝ごはんは納豆と白米だけでも全然平気。→←久しぶりに会った人を一瞬で分かったんだから誰か褒めてよね。
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雨んぼ(プロフ) - 泣いちゃいました(笑)なんか、少し私と重なって、より一層泣きましたwwすっごく良かったです！これからも頑張ってください！ (2022年5月11日 22時) (
レス) @page48 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
葵音 - 泣いてしまいまいた。すご良くて、びっくりしてしまいました！ (2022年1月26日 17時) (レス) @page43 id: c9207ab068 (このIDを非表示/違反報告)
元気に生きていたい！ - はい！泣きましたァァ！！すごく良かったです！！！！！ (2021年8月21日 18時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
アネモナ - 涙がでできました!私はマスク外したくないから外せって言われるの大嫌いですね (2020年5月24日 0時) (レス) id: 8d7833d063 (このIDを非表示/違反報告)
miko - なんか、本屋に売ってあるようなクオリティーでとても好きな作品です！凄く面白かったです！ (2020年5月12日 0時) (レス) id: 6feb6d5170 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あはぴー x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=2bf929b5ed877904e3eb7e3aafbf136b...
作成日時：2019年4月4日 15時
