私達は双子で私は苦労人。【すとぷり】

朝ごはんは納豆と白米だけでも全然平気。 ページ5

貴方side

『うっ、気持ち悪い……』

お腹から朝食べた食パンが上がってきそうだ。
ジェットコースターに乗り、コーヒーカップに乗り、バイキングに乗り、その他諸々に乗り、気分はダウン。
気持ちが悪くて仕方がない。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

スマホがバイブする。

『すみません、ちょっと電話してきます』

「おん、行ってら」

人気のない場所に辿り着き、スマホ画面をタップする。

『はい』

【あっ、俺だけど…今ちょっといい？】

案の定、電話をしてきたのはさとみさんだった。

『はい、大丈夫ですよ』

【計画の件なんだけどさ、5時半に雫ちゃんに、出入口の前で告白する】

『うえっ…！？』

つい、みっともない声を出す。
告白って……。

『もし…振られたら？』

【……どうしよ】

『考えてなかったんですか』

でも、雫が振るわけない。
きっと、「返事は今度でもいいかな」とか言うだろう。
いや、それは振るってことになるのか？
まぁ、別にどっちでもいい。

『いつもどうり接すればいいんですよ』

【……それができたら苦労しないよ】

ですよね。なんて他人事のように軽く返事をする。
だって、実際他人事だし…。

『そして、私は何をすればいいんですか？』

【何もしなくていいよ】

しなくていいんかい！っと、謎のツッコミ魂が燃えてしまう。

【全部、俺がやる】

『…左様ですか。
頑張ってくださいね、応援してます。』

そう言いながら電話をプツリと切る。

嗚呼、羨ましいな。

雫が羨ましい。

てか、なんで今日なんだよ。
とか何とか思いながら歩き出す。
そう言えば、ころんさんはどうするのだろうか。
2人で取り合い…になったら私はどうすれば。
そもそも他の人達はどうなのだろうか。
ジェルさんは、まぁ、保留として、ななもりさんや莉犬さん、るぅとさんはよく分からない。

『急に抜けてすみません』

「別に大丈夫だったけどなんの電話？」

さぁ、これを言ってもいいのだろうか。
……やめておこう。

『いや、ちょっと会社から電話が入って……』

嘘吐き

嘘吐き

嘘吐き

その言葉が私の脳内を駆け巡る。
耳を塞ぎたくなる。

「仕事、結構忙しいもんね〜」

「肩の力、たまには抜きいよ？」

「そうそう、体に悪いもんね〜」

「はい、できるだけそうします」なんて、ぶっきらぼうに言っちゃってさ。
相手が気を悪くすることもわかんないのかね。




私の出来損ないの脳は。

男ならシャキッとしろよ。→←少女漫画のキスシーンに憧れて、実際にされると寒気がする。

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