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参拾捌話 ページ46







「Aくん、回収ご苦労さま。どうだったかな?」

「…筆跡、言葉遣いが違う紙が3枚見つかりました」



そう、3枚。実はあの後にもう1枚見つかったのだ。これはもう目を点にするしかなかった。

でも3枚なら思い当たる節がある。




「マフィアのフロント企業の襲撃で異能力を持っていた者が死亡。その襲撃者は君が殲滅した組織の中でもかなりの権威を持っていた人物、手に掛けたら計画書とその件に関して書かれたこと全てが基地にあると吐いた。
Aくんはこの3枚がそうだと思うかい?」




首領の言葉にフルフルと横に首を振った。
そして頭の中に置いてあったその思い当たる節を思いつくままに話すために口を開いた。




「…ここ最近、マフィア(うち)のフロント企業が襲撃されたことは今回の件を合わせて3回ありましたよね。
そのうちの2回はちゃんとした襲撃者の所存は未発見のまま。そして今回の襲撃者が手に掛けられその言葉と共にその組織を殲滅、その後に3枚の計画書が発見された」




つまりは3件全ての襲撃はこの組織がやった、と判断すべきである。
それは第三者から見ても聞いてもそうだと思う。




「でも不自然なんですよね」




話の途中でしていた3本の指を使った指遊びの数を減らしていき、息を吸う。




「普通なら処分しますよね?
襲撃者が発見されたら困るから計画書ごと燃やすなり切り刻むなり、何らかの方法で処分するはずなんです。それなのに堂々とまるで見つけてくださいと言わんばかりに机に置いてあったそれ。…誘われてるようにしか思えません」




私が見つけた紙に書かれてあったのは殺すつもりはなかったっていう無自覚な悪意。
刺殺したって書いてあったし完璧に本人だと思われる。
もう1枚は完璧な悪意、毎回毎回食べ物に即効性の無い苦しんで死ぬ毒を入れて毒殺。
更にもう1枚には死ぬことを覚悟して書かれてあった挑発文。
人質も返さずに自分も殺してあの世で永遠に仲良くできる、そんな文だった。見た時は心底、蔑んだけどこればかりはもうどうにもならないことだって最終的には割り切った。




「あの離島で何かがある可能性が高いと云いたいんだね?」

「多分、ですけど。私が云ったことは飽くまでも予想です。あんまり気にしないでください」




そうは言ったものの嫌な予感が消えない。
こんなことを考えるなら誰ひとりとして逃すんじゃなかった、惜しいことをしたなぁ。

それからその件はどうすることも出来ず、現場にいる人間が対応することになった。

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あやねっち - 台詞の隣に名前を書いてください誰が言ってるかわかんないです (2020年4月20日 15時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
カノ(プロフ) - ReーLさん» ありがとうございます!更新頑張らせて頂きます! (2019年12月21日 14時) (レス) id: 272a605e22 (このIDを非表示/違反報告)
ReーL(プロフ) - ば、番外編...どっちも好き...更新頑張ってください!!通知来たら飛んで来ます! (2019年12月21日 0時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
カノ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!そう言って頂き、とても嬉しいです!これからも更新していきますので、よろしくお願いします!! (2019年12月18日 21時) (レス) id: 272a605e22 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 文章がとても読みやすい…!続きがどんどん気になります ! (2019年12月17日 21時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノ | 作成日時:2019年12月7日 12時

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