あやとり。【文スト】【暗殺教室】

拾陸話 ページ18

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「思いついた！原さんは助けずに放っとこう！！」



小さな子みたいにいいこと思いついた！とでもいうような声色でそう言った赤羽くん。

その言葉に皆は微妙な反応をする。まあどっちかと言うと納得してない感じの表情。




「おいカルマ、ふざけてんのか？
原が一番危ねーだろーが！！ふとましいから身動き取れねーし、ヘヴィだから枝も折れそうだ！！」




言うなぁ、寺坂くん。後でどうなるか分かんないよ〜。

まあ、面白いから全然良いけど。




「…寺坂さぁ、昨日と同じシャツ着てんだろ。同じとこにシミあるし。ズボラだよなー、やっぱお前悪だくみとか向いてないわ」

「あァ！？」




悪魔のような顔をして言う赤羽くん。そして片手で寺坂くんが着ているシャツのボタンをブチブチっと引きちぎった。





「でも、頭はバカでも体力と実行力持ってるからお前を軸に作戦立てるの面白いんだ。
俺を信じて動いてよ、悪いようにはならないから」

「死ぬかもって言ってたのにね」

「ちょっと石川ちゃん」




悪びれもなくそう言うと歳相応な顔でジロリと目を向けられる。
あくまで私は被害者ぶるように赤羽くんのカーディガンを見せびらかし、ニッコリと笑う。
流石の赤羽くんでも被害者には手を出さないはずでしょ。




「……バカは余計だ、いいから早く指示よこせ」




そう言って赤羽くんに指示を聞き、実行に移そうとする寺坂くんを見てそろそろまずいかなあ、なんて考える。

万が一のことがあるかもだし、そろそろ太宰さんには見つかって欲しいんだよねー。
……万が一、堀部くんの攻撃を受けて寺坂くんが死に至り、なおかつせんせいを殺すことに成功した場合。賞金は貰えなくても2人にとっては別にそれでも良いんだろうからプールとか爆破"させた"んだろうね。




「…………」




どこか冷めた目で今の現状を見つめながら心の中で太宰さんの名前を呼ぶ。

ねぇ、太宰さん。こういう時ってどうするんでしたっけ。


……あーあ、ヤダヤダ。こんな思考を未だに持ってるなんて惨めでアホらしくて死にそうになる。
それと同時にすっごいむかつく。




「てめーらは許さねぇ！！
イトナ！！テメェ、俺とタイマン張れや！！」




昨日と同じシャツを脱いでそう言う寺坂くん。
……あぁ、なるほどね。頭いいというより悪だくみに向いてる思考してるよねぇ、赤羽くん。

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