【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました５【秀徳】

196個目 初デート ページ2

緑間side

Aをデートに誘うことに成功した
デートと言うのがどうも慣れないから、出かけようと言ったというのにあいつは……

家に帰ってからAに電話をかけるまでずっと画面とにらめっこしていた

緑｢このままでは埒が明かないのだよ…｣

いつも学校で顔を合わせ、話だってしている筈なのに…なにを緊張する必要がある
俺はあいつの番号に電話をかけた

数コールしてからAが電話に出た

《も、もしもしAですっ、主な武器はロンギヌスの槍だ！》

緑｢は？｣

自分でも驚くほど呆れた声が出た
武器？なんの槍だって？
だがAのおかげで緊張がほぐれた

《ごめんなさい、テンパりました…》

緑｢だろうな、知っているのだよ｣

《えへへ//》

緑｢照れるな、気持ち悪い｣

《酷っ！私一応、か、彼女だよね！？》

緑｢明日の事で電話したのだよ｣

騒がしいAをスルーして話を進めた

緑｢10時に駅前に集合で大丈夫か？」

《う、うん！10時に駅前ね……大丈夫だよ！》

とはいえ、俺は女の好む場所など知らん
だからAの行きたい所を聞いた

緑｢…お前はどこか行きたい所はあるか」

《え？行きたいとこ？うーん……あ！駅からちょっと歩いた所にさ、カフェがあるんだけどそこ行ってみたかったんだよね！》

緑｢分かった、他にやりたいことはあるか」

《あっ、じゃあじゃあ！明日の私のラッキーアイテム探し付き合って！》

緑｢はぁ、仕方ない…付き合ってやるのだよ｣

思わず頬が緩む
Aはふざけながらも人の事を考えられる奴だ
だから嫌いになれない…むしろ……


緑｢大方決まったな｣

《すっごい楽しみになってきちゃった》

緑｢寝坊するなよ｣

《絶対しないし！毎日早起きしてんだから！》

緑｢それじゃあ、そろそろ切るのだよ｣

時計を見ればもう11時になろうとしていた
流石にこれ以上は電話はできない
だが、Aの寂しそうな声が聞こえた

《…うんっ》

緑｢……A｣

気付けば名前を呼んでしまっていた

《ん？どうかした？》

緑｢………｣

《…？緑間くん？》

何を言うか、悩みに悩んだ上で俺が言えたことは、

緑《明日、楽しみにしているのだよ》

これだけだった
本当は別の事も言いたかったが、次の機会でもいいだろう

《っ！わ、私も！》

緑｢あぁ、おやすみ｣

《おやすみ……//》

電話を切り、静かな時間が流れる
だが俺の胸の中は堪らなく好きだという気持ちで溢れていた



side end

197個目 初デート→←195個目 初デート

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す