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拍手に包まれ、私達は会場を後にした
みんなの後ろをついて歩く
高「ベスト4か〜、まぁこんなもんっしょ?よくやったよな、あの洛山相手に……あれ?もしかして真ちゃん傷心やばい?」
高尾くんはいつものような軽口で緑間くんに話しかける
高「でも…悪ぃ…っ、今はちょっと…っ、慰めてやれねぇわ……っ….、〜っ、くっ…うぅっ、…」
緑「だろうな………だが俺もだ…」
緑「悔しいな、やはり……負けるというのは…っ、」
『…っ』
一瞬でも平気なのかな?なんて思った自分を殴りたい
平気なわけないだろ…っ
見てきただろうが…みんなの、2人の血のにじむ様な努力を…っ
2人の涙を見て、堰が切ったかのように涙が溢れ出す
せめてもの思いで唇を噛み締め、声を押し殺して涙を流した
口の中に鉄の味が広がる
悔しい……悔しい……っ、悔しい…!!!
泣き叫びたい
八つ当たりしたい
でもそれは私よりもあのコートで戦った5人の方が何倍も感じているものだ
私まで落ち込むな…!
私は自分の仕事をやれ…!!
気持ちを奮い立たせた
更衣室に戻るとかなりの人数がいるはずなのに、冷えきったように空気が重く、誰も声を発しようとしない
代わりにすすり泣く声だけが聞こえる
おさまりかけた涙がまた溢れそうになるのをグッと堪え、ドリンクやタオル、ジャージを渡しに回った
先輩達に渡し終え、私は2人の元へと向かった
部屋の隅で高尾くんは膝を抱えて座り込み、緑間くんも同じように座り込んでいた
一瞬、話しかけるのさえ躊躇ってしまう
でも…ここで何も出来ないならそれこそ私がここにいる価値はない
『2人ともお疲れ様っ、体冷えるよ』
そう声をかけてジャージを渡すが、2人とも顔をあげようとさえしない
そんな2人にジャージをかけてあげた
『これドリンクと栄養バー、タオルも一緒に置いておくから、風邪引かないようにちゃんと汗拭いてね』
ドリンクと栄養バー、タオルを置いた
何を話しかけても2人はなんの反応も示さない
けど小さな声が聞こえた
高「……ごめんなさい…っ」
その謝罪はまるで"自分達のせいで負けた"かのように……
その事に気付いた瞬間、私は2人の肩を掴み声を上げていた
『しっかりしろ!!!!!!』
「「っ!?」」
2人だけでなく、ここにいる全員の視線が私に集まる
ずっと泣いていたせいで、2人の目元は赤くなっていた
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雪泉(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます!ですよね!注意書きなどしっかりしておけば読みたくない人も飛ばせますし!ありがとうございます! (2020年5月6日 10時) (レス) id: fe3260901f (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 私は内容にR入っても大丈夫です!!話数の隣にRって書いとけば読みたくない人は飛ばせるのでは?? (2020年5月6日 7時) (レス) id: 4366abe273 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - ヒャァァァァ!!やっと…やっと…!!(笑)告白シーン歓喜でした(笑)2人のイチャイチャが見たいです!!(笑)何か無自覚でイチャイチャしたりデレたりしてそう(笑) (2020年5月3日 23時) (レス) id: 4366abe273 (このIDを非表示/違反報告)
雪泉(プロフ) - 奏さん» へへへっ、どんな気持ちなんでしょうね!奏さんは宮地先輩推しなんですか!!ならばこの作品を読む時は緑間くんに夢中にさせねば…!← (2020年5月2日 14時) (レス) id: fe3260901f (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 149話で真ちゃんが夢主抱き締めてるのどんな思いかめっちゃ気になります…実は夢主を好きって自覚し始めたのかな!?とか、これも無意識なら真ちゃん怖い…とか思いながら読んでました(笑)きーくん(宮地)推しなのにこの作品読んでる最中は真ちゃんに夢中になるなぁ…(笑) (2020年5月2日 9時) (レス) id: 4366abe273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年4月27日 8時