【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました４【秀徳】

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闘志を燃やすその姿を見て、私は気付けば口にしていた

『でも、5人で強い方が強いんだからね！』

緑｢！｣

緑間くんが驚いたように私の方を振り向く

『もう中学の時の緑間くんはどこにもいない、今ここにいるのは"秀徳のエース"なんだから！』

緑｢…ふっ、当たり前なのだよ｣

『あっ、ねぇねぇ、緑間くん！1つお願いがあるんだけど…』

緑｢なんだ｣

私は緑間くんに近づきボールを貰った

『私がパスするから緑間くんシュート打って！』

緑｢はぁ…仕方ないのだよ｣

ため息をつくも緑間くんはなんだかんだ付き合ってくれる
見よう見まねでドリブルをし、緑間くんへとパスをする
緑間くんはボールを受け取るといつもと変わらず綺麗にスリーを決めた

『〜っ！ナイッシュー！』

緑｢当たり前だ｣

自分がパスしたボールでスリーを決めて貰えるとこんなに気持ちがいいのか
高尾くんはそれをずっと前から知ってるんだなと思うと、少し羨ましくなった

緑｢……A｣

『ん？』

緑｢もう一本寄越せ｣

『えっ、でも私なんかのパスじゃ練習にならないんじゃ……』

緑｢いいから早く｣

それから緑間くんの気が済むまでパスを出した
明日準決勝が控えているのに、いつまでもこの時間が続けばいいのに…なんて思ったり
でもそんな時間も終わりを迎えた

緑｢次でラストにするのだよ｣

ボールを拾う手が一瞬止まる
このボールを緑間くんにパスしたら、この時間は終わる

『(終わりたくないな……)』

なんて思うも、そんな我儘ができるはずもない
ならしっかりパスを出して終わらせよう
そう思い振り返ると、緑間くんがエンドラインに向かって歩いていた

緑｢来い、A｣

『っ！』

私は流れる汗を拭き、緑間くんの所までドリブルをついて走る

『緑間くん！』

緑｢シッ…！｣

高く高く放たれたボールは吸い込まれるようにリングを通った
緑間くんはどんなパスでもゴールを決めてくれる
なんだか、それだけで明日は必ず勝つと言ってくれているみたいで嬉しかった

『明日頑張ろうね！』

緑｢ふんっ、人事を尽くすのみなのだよ｣


それから帰りも遅くなったので緑間くんと一緒に帰った

『(いや、待って…2人きりじゃん…)』

また急に緊張してしまう
高尾くんは家の事で早くに帰っているのでここにはいない
助けはない訳で…
耐え切れなくなった私は交差点で緑間くんに声をかけた

『あっ、私ここまでで大丈夫だよ』

緑｢そうか｣

『じゃ、また明日！』

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