【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました３【秀徳】

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『ごめ、ん…っ、』

やっぱり泣いている所を見られたくないから俯いた。
声は震えてるし涙も落ちてるからバレてるだろうけど。

『いい試合だったのに…っ…みんな、頑張ったのに…っ…勝てなかったこと、が……悔しくて…ｯ』

あーあ、最近2人の前で泣いてばっかな気がする。
しかも試合で頑張った2人の前で泣くなんて、情けない。



涙が地面に落ちていく様子を他人事のように見ていると、優しく頭に手が置かれる。
高尾くんかな？と思い、ふと顔を上げるとその予想は裏切られた。






緑｢泣くな、A｣






『み、どりまくん……？』


驚いて目を見開く。
高尾くんも驚いて目をぱちくりしていたがすぐにﾊｯとして、どこか嬉しそうに笑った。

高｢そうやって泣いてくれてありがとな、Aちゃん。俺達が勝てるって信じてくれてたんだろ？｣

高尾くんの私を見る目がすごく優しい。緑間くんもいつもと変わらない表情かと思ったが、どこか雰囲気が柔らかい。

『っ、うん…っ…勝てるって信じてたから…悔しいｯ……』

何度も涙を拭っていると、

緑｢A、そんな擦るな。赤くなるぞ｣
『んっ……』

緑間くんに手を掴まれ、代わりに優しく涙を拭ってくれた。

高｢次はもう負けねぇよ…俺達にはまだ"あれ"もあるしな｣
緑｢あぁ、ウィンターカップで当たった時は……あのシュートで必ず勝つ｣

2人の顔は自信に満ち溢れており、その顔を見た時すごく安心した。それと同時に笑顔が浮かんだ。

高｢おっ！やっと笑ったな！｣
緑｢試合中にふざけるくせに俺達の知らない所で泣くな、馬鹿め｣
『馬鹿って言った方が馬鹿だし！ばーか！』
高｢Aちゃん、それブーメランだぜ？｣
緑｢…ふっ、早く帰るのだよ｣



マネージャーにならなかったらこんなに悔しくて泣いたり、悩んだり、喜んだりしていなかっただろう。

2人に出会っていなかったら…
2人にマネージャーを誘ってもらえなかったら…
今の私はいない。

『2人ともありがとう！』

前を歩く2人が振り返る。

高｢ははっ、こっちこそありがとな！｣
緑｢ふんっ｣
『緑間くんは相変わらずツンデレだ』
緑｢ツンデレじゃないのだよ！｣

残るは泉真館との試合のみ。
気になるのは誠凛と霧崎第一との試合。
何もなければいいけど…

ほんの少しだけ嫌な予感がしていた。

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