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嫌がらせの痕跡はなるべく緑間くんと高尾くんの目につかないようにしている。2人に余計な心配をかける訳にはいかない。
というより、この手のものは他人を巻き込むと余計面倒な事になる。
私は中学の頃に同じようないじめにあった事がある。
理由は私には全く関係ない事、所謂皺寄せだった。
美人で成績優秀、運動もできて帝光中バスケ部マネージャーの姉。みんなから慕われていると言っても全員からなんて有り得ず、当然それが気に食わない者もいた。
でも姉に手を出せば必然とバスケ部レギュラーに伝わる。
それを嫌がった奴が何を考えたか…
そう、双子の私は恰好の餌食というわけだ。
だからこんな事、正直慣れている。
『さて、どうしようかな…』
人目のつかない所に捨てられているジャージを拾い、ポツリと呟いた。学校指定のジャージだから良かったものの、これがバスケ部のじゃだったら余裕でキレてた。
こうして自分だけに実害が出ているならまだしもこれが悪い方向にいくとバスケ部にまで影響が出る。
それだけは何とかしてでも避けたい。
しかし、とうとう事態が動いた。
「Aさん、ちょっといい?」
女グループのリーダーの如月さんが話しかけてきた。
『…何かな?』
「ここじゃあれだからさ?」
人あたりの良さそうな笑みを浮かべる如月さん。
そうでしょうね、緑間くん達の前で本性なんて晒せないもんね。
2人は何となく察しているのか、私に視線を送る。
『いいよ、行こっか』
私が二つ返事で答えると何か言いたげな2人。
あ、これ部活の時に怒られるやつだな…私はそんな事を考えながら如月さんについて行った。
連れてこられたのは校舎裏。在り来りすぎるだろ。
そこには既に数人の女子が待ち構えていた。多勢に無勢はよくない。
如「さて…言いたいことは分かってるわよね?」
おっと、早速本性を晒しだした。
さっきまでの人あたりの良さそうな笑みは消え、私のことを睨みつける。
『まぁ、何となくは』
「分かってるならさっさとバスケ部辞めなさいよ!」
「ブスのくせに緑間くん達に媚び売ってキモイんだよ!!」
ブスは自覚済みだわ!!!!轢くぞ!!
あ、やべ、宮地先輩のが移った。
『私に辞めろって言うより、あんたらもマネージャーになったらいいじゃん』
私がそう言うと馬鹿にしたような目で見る如月さん。
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雪泉(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます!意外に秀徳のお話が少ないなと思ってもう自分が書いてしまえ!という感じで始めました!自己満なお話ですが、喜んでもらえてすごく嬉しいです(泣) これからもこの作品をよろしくお願いします!本当にありがとうございます! (2020年4月23日 22時) (レス) id: fe3260901f (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 1年トリオが可愛すぎるし、それを見守る3年トリオが優しすぎてツラいです(笑)黒バスは秀徳最推しなので内容とかいろいろ歓喜です!! (2020年4月23日 21時) (レス) id: 4366abe273 (このIDを非表示/違反報告)
雪泉(プロフ) - RENさん» コメントありがとうございます!遅い更新になるかもしれませんが、頑張ります!RENさんも体調には十分気を付けてお過ごしください!本当にありがとうございます! (2020年4月22日 21時) (レス) id: fe3260901f (このIDを非表示/違反報告)
REN(プロフ) - 帰宅部の私がマネージャーになりました。めっちゃ面白いです。コロナで体調管理に気をつけながら更新頑張ってください。応援しています。 (2020年4月22日 18時) (レス) id: e1030c49e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年4月15日 14時