91個目 緑間side ページ43
Aを部屋まで送り届け、自分達の部屋へと戻る途中
高「部屋まで送ってあげるなんて真ちゃんやーさし」
緑「っ!高尾……」
曲がり道の影から壁に寄りかかり揶揄うようにこちらを見る高尾。
高「Aちゃん大丈夫そうだった?」
緑「あぁ、もう吹っ切れていたのだよ」
そう言ってメガネの縁を押し上げる。
高「にしてもあの真ちゃんがね〜」
緑「なんだその顔は……」
ニヤニヤと何か言いたげにこちらを見る高尾を軽く睨む。
高「いやいや〜悩める女の子を慰める為に頭を撫でてあげるなんて真ちゃんにしては大きな一歩だな〜ってな?」
緑「なっ!お前、覗き見など趣味が悪いのだよ!」
高「真ちゃんが送り届けてくるって言ってたら来てなかったし!」
緑「ぐっ……俺はAに頼まれたから仕方なく……」
高「Aって、お姉さんの方の?」
緑「あぁ」
高「ふぅ〜ん……」
緑「なんだその目は……」
何か言いたげにこちらを見る高尾に眉を顰めた。
高「いや?何でもねぇよ。でもさ真ちゃん、少し悔しかったんだろ?」
緑「は?」
高尾の言う"悔しかった"の意味が理解出来ず、疑問が口からそのまま出る。
そんな俺に構わず高尾は話を続けた。
高「いやさ、俺らって結構一緒にいた訳じゃん?なのに相談のひとつもしてくれないまま溜め込んで溜め込んで……結局宮地サンに相談したじゃん。まぁ、無理矢理言わせたようなもんだけど」
緑「何が言いたいのだよ、さっさと言え」
遠回しな言い方が癇に障り早く言うように催促する。
高「だから、真ちゃんはAちゃんが相談してくれなくて悔しかったんだろ?ってこと」
緑「なっ、」
そんな訳あるか、そう言いたかったが言葉につまり出てこなかった。
思えばAの悩みを聞いている間、不快な気分だったのは事実だ。
あいつが涙を堪えている姿も、涙を流す姿も見ているだけしかできない自分に腹が立った。
そして俺達がいるべき場所に宮地サンがいたことにすら……
なぜか分からなかったが高尾の言う"悔しい"に、少しは当てはまった気がした。
高「実際俺も少し思うよ。悔しいって言うより寂しい、の方かな?」
緑「…」
高「でもまぁ、Aちゃんの事だから俺達に迷惑かけたくないとかそういうこと考えてたんだろうけどさ」
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ワダ(プロフ) - 雪泉さん» 夢主ちゃんと高緑の絡みがほんとに好きです笑更新楽しみにしてます! (2020年3月25日 4時) (レス) id: 24a14ce40a (このIDを非表示/違反報告)
雪泉(プロフ) - ワダさん» コメントありがとうございます!本当ですか!?ありがとうございます!もう自己満のお話で読み手の皆様ガン無視の内容になりつつありますがどうか緩ーく読んでいただけると嬉しいです!更新頑張ます!! (2020年3月24日 17時) (レス) id: fe3260901f (このIDを非表示/違反報告)
ワダ(プロフ) - 声出して笑う場面沢山あって読んでいてとても面白いです笑更新頑張ってください! (2020年3月24日 13時) (レス) id: 24a14ce40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月21日 17時