40個目 インハイ予選 ページ41
インハイ予選当日_
「A」
『…お姉ちゃん』
準備をしている私の所にお姉ちゃんがやってきた。
「お互い、頑張ろうね」
『もちのろんろん、対戦できるの楽しみにしてるよ』
そう言うとお姉ちゃんは嬉しそうに、そして気合いの入った顔つきで先に家を出て行った。
私は監督から貰ったトーナメント表を見た、私達秀徳はシード権をもらっているので4回試合をすればいい。
ほかの高校に比べると試合数はかなり少ないがそれでも油断はできない。
私はみんなと同じオレンジジャージを着て、会場へ向かった。
『おはようございます』
大「おはよう」
高「おっす、Aちゃん」
既にみんな会場に着ており、自分たちの試合まで待っている所だった。
私も試合の開始時間に合わせてドリンクやタオルの準備などをした。
そして秀徳の初戦となる4回戦がやってきた。
私もベンチに入ることになっていたので、みんなに着いていくと
「あれ…秀徳のマネージャー?」
「何か思ってたのと違うな」
コソコソと喋る相手チーム。
あれれっ、何か聞こえるな。
「秀徳って東京の三大王者だろ?もっと可愛いマネ入れてると思ってたのにな?」
「普通って言うか……残念?ってやつ」
しばくぞおい←
言われ慣れているとはいえ、みんなの前で言うんじゃない。
私が何を言われようと構わないがそのせいで皆が悪く言われるのは嫌だ、でもここで変に喧嘩ふっかけると皆に迷惑がかかるしな…
『ふぅ…』
大きく深呼吸をして自分を落ち着かせた。
すると、
宮「あいつら轢き殺す」
木「宮地、軽トラなら貸すぞ」
高「ちょーっと聞き捨てなんないっすよね〜」
緑「……」
大「お前ら程々にしておけよ」
え、みんなおこ?おこですか?
どうして怒ってるの?←
まさか…私の為に…!?
『〜っ……』
高「って、Aちゃんどうしたの!?」
木「大丈夫だ、あんな言葉気にするなって!な?」
私が俯き小さく震えているのを見て、泣いていると勘違いしたみんなは私を慰めてくれた。
でも違うんだ……
『私は今猛烈に感動している…ッ!』
宮「こいつも轢くか」
緑「…Aのボケにいちいち憤っていたらキリがないのだよ」
馬鹿な、私がいつボケたと言うんだ。
大「でもまぁ、挨拶程度はしておいてもいいだろう」
そう言ってみんな試合の準備を始めた。
結果は128-34のトリプルスコア
初めて見たよ、こんな点差。相手チームよ…どんまい。
結果をノートに書き残し、次の試合の準備を始めた。
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時