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『………ねぇ、お姉ちゃん』
「ん?」
『マネージャーってさ、大変?』
気付けばそんなことを口にしていた。
お姉ちゃんもまさかそんな事を聞かれるとは思っておらず、動きが止まっていた。
「えっと、どうして?」
『あー、その…』
今日の話をお姉ちゃんに話した。
「なるほどね…それにしてもAがね〜!」
ニヤニヤしながらこちらを見てくる姉、なんだその顔は。
『私には無理だし…』
「決めつけはよくないよ?やってみないとわからないんだから。さっきマネージャーって大変か聞いたよね?大変だよ、それが強いところなら尚更ね」
やっぱり。
あの帝光中でマネージャーをやっていた姉の説得力はかなりあった。
『なら何でマネージャーなんてやってるの?』
「ふふっ、みんなを1番近くで支えてあげられるから」
『…!』
「選手じゃないからこそ出来ることがあるし、何より頑張ってる人達の為なら私も頑張ろうって思えるの」
1番近くで支えてあげられる、私があの二人を、秀徳というチームを支えてあげられるのだろうか。
「Aがそこまで考えてるってことは本気でそのチームの事を思ってるから。Aなら大丈夫だよ、あとはAが決めるだけ」
『………』
私が決めるだけ…
それから部屋に戻り、ずっと考えた。自分の高校生活をバスケに、彼らの為に使えるか…
次の日_
私は朝早くに学校に来ていた。
その目的は…
バスケ部の朝練の偵察!!!
もう前みたいなヘマはしないぞ。こっそりと、本当にこっそりと覗き見をする。
『朝練がある日は今日よりもずっと早起きしないとだめってことか……』
高尾くんも緑間くんも中学の頃からこんな生活を送っていたんだろう。
他の人だって同じだ、こんな中に私なんかが入っていいのかな…
"あとはAが決めるだけ"
『私が決めるだけ、か……』
大「そこで何やってるんだ?」
『ひゃうっっっ!?!?』
ガンッ!!!
『いっだぁぁっ!!!』
扉で足の小指をピンポイントでぶつけた、あまりの痛さに蹲り足をおさえた。
大「お、おい、大丈夫か?」
『へ、へへっ、だ、大丈夫です…っ』
涙目になりながらなんとか笑顔をつくる。
何でピンポイントで小指なんだ……親指が1番大きいくせに…!
宮「おいうるせぇぞ!…あれ、お前…」
しまった!!!バレてしまった!!相変わらずフラグ回収早いな!!!
しかしもう前みたいに走って逃げられない。
どうする私!
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時