13個目 本編 ページ14
※ガラケー時代ですがスマホを使用
秀徳高校_
素晴らしい程によい距離に位置する学校。
そして今日は入学式。初めて着るセーラー服にウキウキしながら歩いていた。
しかし、
『いやー…迷った!』
下調べもなしに家を出た事が仇となったようだ。歩けば学生がいると思ったのに笑えるぐらい誰もいない。
流石に入学式に遅刻は避けなければ。
『まぁこんな時こそ……Hey!Siri!』
ピコン
『秀徳高校ってどこ?』
《秀徳高校はこちらです》
表示された場所はそこまで遠い所ではなかった。携帯を片手に地図通りに道を進んでいると
ドンッ
『わっ!?』
「おっと」
携帯ばかり見ていたせいで横道から歩いてきた人に気付かずぶつかってしまった。
『す、すみません!』
「俺の方こそ悪い!」
慌てて謝ると目に入ったのは秀徳高校の学ラン、相手の顔を見るとまだ幼さを残しつつも(私からしたら)高い身長の男の人だった。
「あれ?もしかして君も秀徳の新入生?」
『あ、うん』
「そうなんだ!俺もなんだよね!せっかくだし一緒に行かない?」
『あ、はい』
いやコミュ力たっけぇ〜!私なんてコミュ障が際立ってるんですけど、てか爽やかイケメンだ。
高「俺、高尾和成!君は?」
『AA、よろしく』
高「Aちゃんね!もしかして迷ってた?」
『え、なぜバレた』
高「だってHey!Siri!って聞こえたからw」
マジか!
めっちゃ恥ずかしいやつだ。誰もいないと思って使ったのに、と薄らと頬を赤らめる。
『誰もいないと思ってたのに…』
高「おもしれ〜w あ、Aちゃんってどこ中なの?」
『ハイチュウ』
高「ちがっww」
しまった、脊髄反射でやってしまった。てか高尾くんツボ浅すぎる、めっちゃ笑ってるんだけど?
高「やっべw腹痛てぇww Aちゃん面白すぎ!」
『そんなつもりはなかったんだ、ごめん。中学校だよね?帝光中出身だよ』
高「…!へぇ、あの帝光なんだ…部活とかしてたの?」
さっきより少し雰囲気が変わった…気がする。勘だけども。
まぁ、聞いて驚けこの野郎。
『帰宅部だ!』
高「ブフォww」
トドメをさしたみたい。目に涙まで浮かべて爆笑してる。
良かった…とりあえず高校での友達はゲットできたみたいです、お母さん。
それから談笑しながら歩いていると学校が見えた。
私たちの通う秀徳高校だ。
高「悪ぃ!俺これから行かないといけない所あっから!今年からよろしくな、Aちゃん!」
『こちらこそよろしくー』
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時