1個目 中学校編 ページ2
ここは帝光中学校。
バスケットボールの強豪校。
他の部活動もかなりの成績を残しており、全国的に有名らしい。
勉学にも力を入れており、都内有数のマンモス校だ。
そんな学校に少し有名な双子がいた。
1人は才色兼備で優しく皆に好かれる姉、もう1人は……
「落ちこぼれ」「残念な方」
そう陰から呼ばれる妹。
それが私、AAだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
今は帝光中の2年生。
いつもの様にだらだらと学校に向かって歩いている。
『〜…っ、ねっむ…』
欠伸をしたせいで涙が出てきた。何で学校なんかあるんだろうね。
もう帰りたい←
そんなことを考えていると
「おはよ、A」
『あ、おっはろ〜夏希』
後ろからポンッと肩を叩かれ振り向くとそこには私の唯一の友達、凛がいた。
「何その挨拶」
『今ね、ちょっとハマってるアニメがあってさ。それに出てくるキャラの挨拶の仕方が可愛くてね?』
「やっぱりか」
それから談笑していると学校へと到着した。
私と夏希は同じクラスなのでそのまま一緒に教室へと向かう。
席につくとホームルームが始まり、そのまま1限目の準備をしていると、
「おーい"残念な方"のAさん」
『………なに?』
「これ先生に出しといて〜ちょっと用事があって行けないの〜」
『…はぁ、いいよ』
「ごめんね〜?」
ゆったりとイラつく話し方をする同級生に提出するプリントの回収兼提出を頼まれた。
自分でやれ。ついでにハゲ散らかせ。
そう心の中で毒つきながらプリントを回収してまわる。その時も一部の女子から
「ありがとうー、残念な方のAさん」
と、言われる始末。
どうしてこんな事になっているかと言うと、それは《姉》の存在のせいである。
双子の姉である葵は誰もが認める才色兼備。
勉学、スポーツはもちろん、人から好かれる才能を持っている。
そんな姉は現在、バスケットボール部のマネージャーをやっているそうだ。
簡単に言えば、姉には敵わないから妹である私を標的にしたという訳。
双子という時点で周囲は無意識に比べてしまうのに、ここまで差があるともう諦めもつく。
ようやく集め終えたプリントを綺麗にしていると夏希が般若のような顔で目の前に立っていた。
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時