桃井さつきに成り代わったから、とことん原作を直してやろうと思った。

根本から変えれば ページ35

「どうだった？」


「ああ……母親が、事故で亡くなったらしい。だが、ファンブックにはこんなことなかったぞ……」


「……狂わされた、かな」


「誰に？」


「さあ。今度ループにでも聞いてみるよ」









さて、ここからだが。
実は、策が全くない。
バスケが嫌いというわけでもなさそうだ。
しかし、家事となると……。









バスケ部に入ったとしても、遅すぎる。
もう二年なんだ。
黄瀬も入っているし、才能は発揮できないだろう。
ならば、根本から直す必要があるのだが……。









「……ライト」


「なんだい？」


「今回のこと、お前に全部任せてもいいか？」


「……」


「オレだけじゃ、もう先に進めないんだ。なんとか、ループやシークに交渉できないか？」


「何をすればいいの？」









そこが問題だ。
事故を止めるなんてこと、過去を変えないと無理なことだし……。









ん？待てよ？









“過去を、変える”？









「そうか、それだ！」


「いきなりなんだい？発作？」


「ちげぇよ！過去だよ、過去！過去を変えるんだよ！」


「は？急に何を……」


「シークは、この世界を創ったんだろ！なら、そんなの余裕だろ。オレを、黒子の母親が死ぬ直前に連れていけって頼め！」


「そ、そんな無茶な……いくらシークでも、限度があると思うけど」


「とりあえず頼むだけ頼んでみてくれ。頼む！」


「──ああもう、頼む頼むうるさいなあ。わかったよ」









こうしてオレは、勝率100%の策を手に入れた。

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