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虚しい期待 ページ33

「ご苦労様で……す?」


「あっ、こ、こんにちはー……」









黒子は手に印鑑を持って、冷や汗だらだらのオレをじっと見た。
驚きの表情だ。やはり、バスケ部の黒子とは違う。
彼は、ミスディレクションのために無表情を貫いていたのだから。
しかし彼は、驚きの言葉を口にした。









「……桃井、さん?」









オレを覚えているということは、まさか。
まさか、彼はまだバスケ部にいると思っていて、今日はたまたま部活を休んだ、とか。









「私のこと、知ってるの?」









「何言ってるんですか」と言ってほしかった。
しかし、彼の口から出たのは、「有名ですから」だった。









「ああ、そう……そうだよね」


「あれですよね。ジョニーの人ですよね」


「どんな認識……」


「あ……とりあえず、どうぞ?」









今までずっと外で話していたので、それに気づいた黒子が中に入れてくれた。
しかし、緊張しているようだ。
それはそうだ。だってオレ達は、彼の記憶の中ではほぼ初対面。
オレは見なれた姿だが、彼は違うのだ。









「ちょっと待っていてください。お茶を持ってきます」









リビングに通され、ソファに腰かける。
普通の部屋だ。
しかし、あるはずのバスケ関連のグッズがひとつもないことに、少し寂しさを覚える。
この様子じゃあ、彼の部屋にもないだろう。









ふと、棚に飾ってある写真たてに目がいった。
そこには、まだ赤ん坊の頃の黒子を優しく抱き上げる、黒髪の女性と、男性。
恐らく、黒子の父と母だ。
しかし黒子が成長していくにつれ、その母親の姿が写っている写真はどこにもない。
どういうことだろう、と悶々と考えていれば、黒子が来た。









「どうぞ」


「ありがとう……あの、聞いていいかな」


「はい?」


「黒子君って、なんで帰宅部なの?」

黒子の事情→←迷えるインターホン



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設定タグ:黒子のバスケ , 桃井さつき成り代わり , 逆ハー   
作品ジャンル:アニメ
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みずあいす - プーさん大好きさん» ただいまです!これしか言えませんが許してください笑笑 (2017年5月13日 17時) (レス) id: eea04fc780 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き - お帰りなさい!!これしか言えませんが許してください。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年5月12日 21時) (レス) id: 31dc8f72b4 (このIDを非表示/違反報告)
翠玉未麗*ボード不調(プロフ) - みずあいすさん» ネタバレ盛大すぎ……!(( (2017年5月12日 10時) (レス) id: a813412baf (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - 翠玉未麗*ボード不調さん» 早いですなぁ。盛大なネタバレを致しますと、また過去に行きますかね (2017年5月11日 22時) (レス) id: eea04fc780 (このIDを非表示/違反報告)
翠玉未麗*ボード不調(プロフ) - おおお、もう三部……楽しみですなあ。原作の前って言うと、帝光以前の話ですかね……? (2017年5月11日 13時) (レス) id: a813412baf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずあいす | 作成日時:2017年1月14日 12時

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