桃井さつきに成り代わったから、とことん原作を直してやろうと思った。

場違いな赤面 ページ29

「てか、さっき『オレら』って言ったけど、お前の他にも誰かいるのか？」


「そう。ループっていうオレの主。ループもまた、シークから名前をもらったんだ。ループは『管理者』って呼ばれてて、オレは『監視者』らしいよ」


「なんだよ、それ？」


「君が一番始めにいた真っ黒な空間覚えてる？」









始め、というと、さつきがキスをしてきた時だよな。
思い出して、少し赤面してしまった。
そんなオレをライトがじとっとした目で見るものだから、慌てて言う。









「あ、ああ。さつきと会ったところだろ？」


「……うん。そこと同じようで違う、真っ白な空間があるんだ。多分ループは、その空間を管理してるから、管理者。そしてオレは、恐らく君の監視者。別に何をしてって言われてるわけじゃないんだけど、守護者的な役割じゃないかな、多分」


「『多分』ってお前……結局何も知らないじゃねえかよ」


「だから、最初からそう言っているだろう？オレが知っているのはほんの僅か。あとはシークに聞いてみるしかないんだ」


「シーク、ねぇ……」









まあそれは置いといて。
まずは黒子をなんとかしなければ。









「おい、黒子はどうすんだよ」


「いや、それが、オレにもよくわからないんだよ」


「はぁ？お前黒子だったろ？」


「いや違うからね。見た目だけだからね。気づいたら彼から離れていたんだよ」









黒子がどうなったかの可能性は二つある。









一つ目は、黒子のバスケ部としての記憶が消えていること。
そして二つ目は、









黒子の存在自体が消えていること。









確かめるには多分、担任に聞いてみるなりしたら良いのだろう。









「よしテツ……ライト。職員室に行くぞ」


「言いにくいならテツヤのままでいいよ」

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