ライトとシーク ページ28
「ちょ……っと、保健室行ってきます……」
「おう、それがいいな。……誰かついてってやれ」
「なら、オレが」
「いや、いい……」
頭が混乱しすぎて放心状態なオレを、心配そうに見る一軍の部員の目線を背に受けながら、オレは体育館を後にした。
「──Aさん」
「──うおっ!!?」
急に背後から声をかけられ、驚きに声をあげる。
今誰もいなかったはずじゃ……。
まさか、
「て、テツヤ!?」
「しー……」
人差し指を自分の口元にやっているテツヤ。
……テツヤ?
「お前……なんで髪白いんだ?」
オレが「テツヤ」を疑問文にしたのは、そのためだ。
顔は黒子そのまんまなのだが、髪が、白い。
そして、目が双方共に紫色なのだ。
そういえばテツヤが出てくるときは、黒子の左目が紫色になるな、とは思っていたけど。
「こっちが本当のオレさ。ちなみに元から黒子の姿だったんだ。理由は、“彼女”の趣味らしい」
「だから、彼女って……」
「そろそろ言ってもいいのかな。いや、でも、前キミに教えたことしか、知らないんだけどね」
「前」といったら、恐らくあの時。
『黄瀬事変』があった日か。
その時彼は、「“彼女”がこの世界を創った」みたいなことを言っていたような気がする。
最近色んなことが一気に起きているので、記憶が曖昧だ。
「“彼女”の名前は、シーク。本名じゃないよ。教えてくれないんだ。オレらが勝手にそう呼んでる」
「シーク……」
「『名前は秘密だ』って言ったから、秘密を英語にして、始めを取っただけの単純な考えだね」
「シークレット、か」
「うん。ちなみに、ずっと言ってなかったけど、オレはライト。シークからつけてもらった名前だよ」
「ライト……」
しっくりとは来なかった。
何故なら、もうオレの中では、彼はテツヤとして定着しているからだ。
「シークはね、この世界の『支配人』なんだって」
「『支配人』……?」
2492人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずあいす - プーさん大好きさん» ただいまです!これしか言えませんが許してください笑笑 (2017年5月13日 17時) (レス) id: eea04fc780 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き - お帰りなさい!!これしか言えませんが許してください。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年5月12日 21時) (レス) id: 31dc8f72b4 (このIDを非表示/違反報告)
翠玉未麗*ボード不調(プロフ) - みずあいすさん» ネタバレ盛大すぎ……!(( (2017年5月12日 10時) (レス) id: a813412baf (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - 翠玉未麗*ボード不調さん» 早いですなぁ。盛大なネタバレを致しますと、また過去に行きますかね (2017年5月11日 22時) (レス) id: eea04fc780 (このIDを非表示/違反報告)
翠玉未麗*ボード不調(プロフ) - おおお、もう三部……楽しみですなあ。原作の前って言うと、帝光以前の話ですかね……? (2017年5月11日 13時) (レス) id: a813412baf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずあいす | 作成日時:2017年1月14日 12時