小説と現実・天才マネージャーSide ページ6
和臣が、ジロッと立花をにらんだ。
「やっぱりゴリラだ。」
やっぱりバカだ。
立花は、フンと鼻をならして言った。
「サスペンス小説じゃあるまいし。」
すると、和彦が、はっとしたように和臣を見た。
「若武、オレの本、返せよ。先月貸しただろ、『サスペンス傑作集』。」
立花は、すごくびっくりした顔で和臣を見てる。
きっとこう思ってたんだろーなー。
『もしかしてこいつって、本気で、小説と現実をごっちゃにしてたわけ!?』
わたしも、和臣に会ったばかりの頃は、思ったりしてたけど、なれちゃった......ちょっと、なれたくなかったかも。
和臣は、たちまちまっ赤になって、横を向いた。
「ちょっと思いだしてただけだよ。」
(P103)
貴和が、あきれたように言った。
「小塚、今度はホームズでも貸してやれよ。若武センセの頭が冴えるようにさ。」
和臣は、くやしそうにクチャクチャッと髪をかき上げ、話をそらした。
「上杉、普通の人間じゃないっていったら、誰なんだよ。プロレスラーとかか?」
和彦が、目を輝かせて叫んだ。
「きっとタイガー・マスクだっ!」
「やめろよ。」
和典が、ピシャリと言った。
和典〜、和彦をイジるなぁ......でも、やめよっか、和彦。
「これだけの手がかりで犯人を見つけるのは、とても無理だ。あきらめて、盗難届でも出すんだな。保険がかけてあるはずだから、それで新しいのが買える。」
「ダメだ。」
そう言って和臣は、男の子らしいほおをゆがめ、片目を少し細めた。
「保険は、親が管理してる。秀明には乗ってっちゃいけないって言われてるんだ。それを無視したんだから、今さら盗られたなんて言いだせねーよ。メンツってもんがある。」
きっぱりと言いきってから、うめくようにつけ加えた。
(P104)
「それに、このことがバレたら、こづかいが無期限ストップだ。いくら新しいチャリが来ても、こづかいがないんじゃ動きがとれん。」
貴和が、からかうように笑った。
「チャリか、こづかいか、それが問題だ。」
とたん、和彦が思いだしたように口をひらいた。
「若武、オレのDVD、返せよ。先月貸しただろ、『アニメ・ハムレット』。」
わお、すごい借りてますこと。
*作者です→←犯人は、和彦かっ!?・天才マネージャーSide
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真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがと〜!!今夜も更新しまーす! (2016年8月23日 19時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - ↓ごめんなさい!間違えました。恵菜です。 (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
Mio - おめでとうございます!応援してます! (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがとう!! (2016年8月14日 23時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - よかったですね!更新頑張ってください! (2016年8月14日 23時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2016年5月3日 12時