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驚いてるのと同時に困惑しているような表情を向けられてどう反応していいのか困る。何も言ってこないし。
TH「ジミナみたいに怒るかと思った」
「怒るって…そこまでの仲じゃないじゃん」
TH「いや、自分でやれよ的な」
「出来る人がいるならその人に任せていいでしょ。ジミナは全部自分でしようとするし、それが出来る人だから怒ったんじゃないの?ジミナはジミナだし、私は私、テヒョンはテヒョンでしょ」
ゆっくりとピーラーで人参の皮をむき始めるとその手元をテヒョンが見ているのが分かる。こんな見てくる人初めてだから緊張する、たかが人参の皮むいてるだけなのに。
TH「…この前は、ごめん」
ポツリ、と小さい声が聞こえた。すぐにシアタールームのことだって思い出す。
「いいよ、私こそ変に反応してごめんね」
TH「よくない。Aのこと傷つけた」
テヒョンはピーラーを置いてぺこりと頭まで下げてきた。さっきのことといい、ピーラーのことといい、本当にこの人はあのブス発言した人なの?…案外、ホソクオッパが言ってのが正しいのかもしれない。
しばらくしても上がらないテヒョンの頭を見て、ちょっとさっきの話と繋がるかもだけど、と前置きしてから私もテヒョンと向かい合う。
「私、笑いたくても笑えないの。冗談じゃなくて本当に。嬉しいとか楽しいが顔にでなくなっちゃった。今までみんな理解してくれて誰からも言われなかったけど、テヒョンは知り合って間もないからああいう風に聞いてもしょうがないって思うようにした。だから私はもう平気だし、そこら辺理解してくれるとこれからやりやすいかも、同居人として」
TH「…ん、分かった。理解する」
はい、話終わり。もうモヤモヤする必要なし!その意味も込めて軽く手を叩いてからまたピーラーを握り直す。テヒョンも同じようにして人参をもくもくとむき始めた。
TH「明日学校帰りに仲直りの記念でご飯おごるよ」
「いいよ、仲直りじゃないし明日は友達の家泊まるから」
TH「えーノリ悪いなーA」
「ちゃんと集中しないと指切るよ」
家にオンマ以外の人といるのが久しぶりすぎてなんとなくくすぐったい。けど
TH「改めてよろしく、A」
軽く微笑みながらそう言ってくれるテヒョンは、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけいい人なのかなって思えた。
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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月4日 1時