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19.知人の定義とは ページ25

「すみません。Aさん。僕の不手際で貴方を危険にさらしてしまいました」
「いやいや、滅相もない。本はといえば、私の行動がはめいた結果だし……こちらこそごめんね」

夕暮れに染まるアスファルトの国境を敦君と太宰さんとゆったり歩きながら、同じような詫び入れを繰り返していた。
犯人は無事に検挙されたというのに帰り道はなんともいえない哀愁が立ち込める。
私の首元の痛々しくまかれた包帯。
敦くんはコレを見るたびに申し訳なさに駆られるのだろう。傷は浅いというのに装備だけが見栄っ張りだ。
お隣を歩く太宰さんまで先ほどから眉間に皺をよせているものだから容易く話しかけられる雰囲気ではなかった。

「本当に反省しているのか疑わしいね。大事に至らなかったからよかったもの、自分がどれだけ無茶したか理解しているかい?」
喉から上ずった声がなる。
大魔王様もびっくりな声色は、飄々としている普段の彼とは似ても似つかなかった。
「本当にお騒がせして申し訳ありませんでした」
素直に頭を下げる。
沈黙が怒りを物語っているようで微動だにできない。
だが、静寂は押し殺したように笑う声でかき消された。

「まあ一つの利点も得たし水に流すこととしよう」
おそるおそる顔を上げ、含み笑いをする太宰さんと対峙する。
「………えっと利点とは?」
「私の友人は予想だにしない奇人だと理解したことだよ」

はなはな失礼な言葉は黙認して、ん?といった違和感が広がる。

「ねえ。敦くん。私の聞き間違いかな。太宰さん、私のことを何ておっしゃってた?」
「私の友人と聞こえましたけど」

友人?私たちの関係性にはちと不釣り合いすぎやしないか。何より、お互いに知らなすぎる。

おそるおそる「いつから私たちはそのような関係で?」と問いかければ「最初からさ」という頭が痛くなるようお言葉を賜った。

20.貴方達へ向けたご冥福→←18.演劇のお時間



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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます!こんなハチャメチャな夢主、需要あるのかな?と不安だったので、そう仰って頂けると嬉しいです!オチはですね……。後々あかしますね。個人的にオチを先にお知らせするというのはどうにもピンとこなくて……個人的な見解で申し訳ないです (2017年7月28日 18時) (レス) id: b086ef1462 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - うわぁぁぁ文才ありすぎません?設定がしっかりしてて読んでて楽しいです!!渡辺ちゃんの謎?も気になりますし…笑笑。あと気になるのはこの小説って誰落ちなんですか?(太宰さんがいいなぁ…←図々しい汗)更新頑張ってください!!! (2017年7月26日 13時) (レス) id: a8e89100ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年7月2日 15時

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