第11話 ページ12
A「……」
「どしたの？盛り付けないの？」
私の顔をのぞきこんでくるあんずさん
A「あ、えっと…いつも決まった量しか食べないし、こういうちゃんとした料理を食べるの本当に久しぶりで…どのくらい盛りつければいいのか分からなくて」
「んーじゃあこのぐらい！私と同じぐらいの量！」
あんずさん……！
やっぱり優しいなぁ
私が失敗しても見捨てずそばに居てくれるんだよなぁ
「そういえば俺さ、ずっとAのこと誤解してたんだよね。なんていうか無口な人かと思ってた！」
「あ、それ僕も思ってた！でもすっごく話しやすくてびっくりしたよ！」
「人は見かけによらないな。どうして教室では無口なんだ？」
A「それは本当につまらない理由で……」
こんなに心配してくれてるのに
理由はただの寝不足です！
A「……寝不足」
「何時に寝てるんだ？」
A「最近は3時くらい」
「「「「遅っ！！！」」」」
A「でもでも！4時に寝ても生きてるから！全然平気！！」
ｶﾞﾁｬﾝｯｯｯ！！
「アンタ4時とかに寝てたの！？」
A「うわ！！な、何で瀬名先輩が？！」
「そんなことよりどういうこと！？だから肌もガサガサだったわけぇ！？」
A「えっと…でも瀬名先輩には関係ないですよね？」
「関係大あり！」
瀬名先輩……もしかして私を心配
「アンタが体調崩して休んだら俺が弁当作り損でしょ！？」
全然してなかった
少女漫画展開……ちょっと期待したのにな……
「瀬名！！家庭科室に中々戻ってこないと思ったら2年にちょっかいをかけていたのか！！」
「守沢、ちょっと黙っててくれる？ていうかちょっかいじゃなくて説教！！」
心配じゃなかったのは残念だけど説教してくれる人なんて今まで居なかったから……
ちょっとうれしいかも
瀬名先輩の説教は私のカレーが冷めるまで続いた
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作者名：みくる | 作成日時：2023年7月13日 1時
