ゼラニウム second tk×in (ページ27)

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目を覚ますと、見慣れた天井

高木の家

ではなくて保健室

校庭から掛け声や、吹奏楽部の楽器の音が聞こえてくるからいまは放課後らしい

薮「起きたか？」

「おきた」

しゃーってキャスターのついた椅子を滑らせて俺のベットサイドにきた

薮「伊野尾が高木に抱きついたまま寝るからひっぺがすの大変だったんだぞ」

「え、俺そんなに力強かった？」
　

薮「そんな力あると思うか？」

「....ない」

薮「高木が離れたがらなかったんだよ」

そうだったんだ、なんか嬉しいな
　

薮「俺をさんざん説教した光がそのまま連れてったわ」

光めっちゃ怖ぇの、といいつつもやはり頬は緩んでる

それにしても高木がつれていかれるの想像できるなあ

薮「伊野尾」

「ほぇっ」

さっきまでのほわほわした雰囲気はどこにいったのか
　

薮先生は真剣な表情をしている

薮「やっぱり思い出すと怖い？」

俺は頷く

今日のもそうだった

薮「そりゃあんなこと経験すりゃ当たり前の反応だけど、手の震えはそれより前からだったよな？」

「あの仕事したときから、かな」

薮「多分フラッシュバックと、元の性格的なことだと思うけど、乗り越えていこうな
　
　高木にも頼れよ」

そうだよね、このままじゃいけないよね

頑張らなきゃ

「ありがとう先生」

俺の返事に、薮先生はにこっと微笑んだ

なんだか光が薮先生に惚れた理由がわかった気がした

まぁ俺は高木の方が好きだけど、なんてね