ー ページ21
ー
「ほおずきさまあ〜」
あ、触った。
ついに触りだしたわあの女。
鬼灯様にワンタッチしたわ潰したろか。
私はつい鬼灯様に頬を染めて肩に触れるあの女をギロリと睨みつける。
前にも言った通りさもちろん私に怒る権利なんてないんだけど…
嫌なもんは嫌だ。
好きな人に他の女がべたべたと触っていい気分になる女なんてまずいないでしょう。
「照れてるんですかあ?鬼灯様ったら〜」
私の中にどんどんと黒いモヤモヤが広がっていって気分が悪い。
いっその事この部屋から出て行ってしまおうかとも思ったけれどこんな女と鬼灯様を二人っきりにするのは私が嫌だ!
私はグッと堪えて黙って拳を握る。
そしてどれくらい経っただろうか。
あの女の声とペンを走らせる音と時計の秒針だけが聞こえていたこの部屋に鬼灯様の声が響いた。
「はあ、終わりました。はいこれどうぞ」
どうやら終わったらしい。
鬼灯様は立ち上がるとあの女に書類の束を渡す。
「もう終わったのかあ、まだもう少しここにいたかったのに〜」
早く帰れ。この野郎。
「じゃっ、これ以上ここにいて鬼灯様が本当に私に惚れたら困るからあ〜帰りまあすっ」
「お疲れさまでした」
私はさっさと鬼灯様の後ろへ逃げると意外とあっさりと部屋を出て行くあの女をこれでもかってくらいの鋭い視線で見送った。
「……」
『……』
「……」
『……』
やっと帰った。
やっと静かになった。
これで鬼灯様とお話ができる!
今はお昼過ぎ。
鬼灯様もよくあんなうるさいのがいて我慢できたよなあ…
さすが鬼灯様。
ー
282人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃーこ - 凄く、よかったです!鬼灯が裏では夢ちゃんの事愛してた、、!ヤンデレ出たらもう最高、、(性癖ですごめんなさい、、 (11月9日 16時) (レス) @page27 id: d99dd44019 (このIDを非表示/違反報告)
マジ - マジでとっってもキュンキュンです! (9月27日 22時) (レス) @page27 id: 2ded5cc478 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - とても面白かったです‼️ (8月9日 2時) (レス) @page27 id: 2cd608cf26 (このIDを非表示/違反報告)
tenp_555(プロフ) - 心臓が危ない……書いてくれてありがとうございます! (7月16日 10時) (レス) id: 8d249629d3 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - 夢主が薬で白澤さん好きになって鬼灯さんを威嚇したとき、鬼灯さん内心焦ってたりとかしてたりして…?☺️ (7月9日 19時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まあり | 作成日時:2020年11月6日 21時