鬼灯様しかいらない【鬼灯】

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「全く…」



そんな事を考えていれば、ポンポンと優しく私の頭に触れたのは鬼灯様の温度。



『んふふ』



嬉しくてつい、声を出して笑ってしまう。


また、気持ち悪いとか言われるんだろうなぁ。

だけどね、いいんです。

それが鬼灯様だから。

それに鬼灯様からなら何言われても良い。

受け止められる自信があるから。



『へへ、鬼灯様の手好きです〜』



頭に乗っている重さに、口元の緩みが止まらず。酔ってもいないのにそんな事をシロの前でポロッと言ってしまう。



まあいいよね、シロだし。


意外と長く撫でてくれてるし嬉しいなぁ。


幸せだ。

なんて。

噛み締めていれば。



「私はいつだって愛でているつもりなんですがね」


『…へ、』



頭の上からそんな言葉が聞こえ、顔を上げ…



『えっ』



上がらない。

顔が上がらない。


なぜかって、それは鬼灯様が撫でているその手に力を入れているから。


お、重い…



『ほ、鬼灯様？』


「黙って撫でられていなさい」


『は、はい』



聞き間違い…？だったのかな？

ま、いっか。

空耳だとしても、嬉しいや。

撫でてもらえたし、満足満足。




あの時、しつこいかと聞いた時。


返ってきた返事は。






ーーー可愛らしいなぁと、毎回思いますよ。



鬼灯様にしては珍しく、柔らかい表情でそんな事を言ってくれたのだった。









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