心の底から叫ぶんだ。【Eiji】#2

忘れたはずの景色。 ページ3

《A side》







｢…………」







『どうも！アバンティーズのエイジと！』




『ツリメと！』




『そらちぃと』



『リクヲです！』





スマホの中でずっと流れている。



アバンティーズのオープニング。






忘れたはずの景色なのに。何だか、思い出したくなってしまった。





でも、もう見ない。私は関係ないから。私には違う道があるから。彼とは違う道だから。






きっと二度と会えないだろう。まず、会いたくない。








(ﾏﾈ)｢赤木さんー？もうすぐ本番ですよ。」






｢あ、マネさん！すみません。今行きますｯ」






(ﾏﾈ)｢いや、いいんですけど、最近元気なくないですか？」




｢そうかなぁ？ちゃんと寝てるけどねー笑」







(ﾏﾈ)｢あー、疲れとかじゃなくて、なんかこう……赤木さんがちゃんと笑ってないっていうか……」




｢そんなことないよ！！元気元気！！」ﾆｺｯ






(ﾏﾈ)｢そうですか……あ、スタジオまでついて行きますね。」





｢はーい。よろしくお願いしまーす」









もしも、私がアバンティーズだったら…もっと毎日が楽しかったのかな。


今更そんなこと思ったって無駄だけどね。




頑張って声の出し方研究して、人一倍努力して、やっと掴んだ夢。



これを水の泡にしたくない。








(司会)｢今日のゲストは赤木桜さんでーす！」






｢こんにちはー！赤木桜でーす！今日はよろしくお願いします！！」




(司会)｢いや、ほんとお綺麗ですよねー」





｢えー？そうですかぁ？」



(司会)｢マジマジ。さて、本日はYouTuberについてやっていきたいと思います！」






｢え“YouTuber？？？」






(司会)｢実は赤木さんにドッキリを仕掛けてたんですよねー笑YouTuberに会いたいんですよね？」





｢いや、え？あ、べ、別に…そんなこと言ってないです……けど？」





(司会)｢あれ？マネージャーさんが言ってましたよ？」





｢マネさんが！？ちょっと、マネさんー！！！」





(ﾏﾈ)｢最近、YouTubeばっかり見てるんで、会いたいんだと思ってました。笑」








いやいや、逆に会いたくない。絶対嫌。帰ろっかな。







(司会)｢しかも今日は、赤木さんがよく見てるという話題のYouTuber、」







｢え……や、無理なんですけど……」







(司会)｢アバンティーズさんです！！！！！」






あー。えー？嘘でしょ。嫌々。なんでなんで。

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