『7』の少女【しゅごキャラ！】

episode3 ページ6

（人1）side

司さんは唐突すぎて困る。
そのあと、司さんは「はいテスト〜」なんて言って紙を数枚渡してきた。
まぁ病院生活中に5年生までの範囲を猛勉強してきたので、なんとかできたけど。


数十分後なんとかテストを終わらせた。
司さんは、テスト用紙をポンポンと整え、言う。


司「じゃあ結果はまた今度教えるよ。大丈夫だと思うけど、一応ね。」


（人1）「わかりました。では失礼します。」


司「気をつけてね。チィちゃんとモモちゃんも、またね。」


チィ「じゃーな！司！」


モモ「司さん、さよならですー」

三人は手を振って、それぞれ別れの挨拶を言った。
僕は「失礼いたしました」といって理事長室を出る。

バタン

理事長室のドアを閉め、チィ達にまた隠れるように言う。


子供はみんな心の中にたまごを持っている。
目には見えない心のたまご。
そこから出てきたのが、もう一人の自分であり、なりたい自分。
それがしゅごキャラ。
大人になると消えてしまう、大事なたまご。


しばらく歩いた後ふと、数年前に、司さんに教えてもらった言葉を思い出す。

（人1）「なりたい自分…僕は、何になりたいの？」


そう呟いた言葉は、誰にも聞かれることなく静かな廊下に響いた。



数日後司さんから電話があった。
内容は、合格ということだった。
そのあと始業式の日取りを教えてもらった。
制服も作りに行って、あとはもう始業式だけだった。


母「あら（人1）ちゃん、珍しくご機嫌ね？」


（人1）「ちょっとお母さん、なによ？珍しくって。」

ある日急に母にそう言われたので、僕が反抗すると、母はにっこり笑いながら言ってきた。

母「違うのよ。ただ、いつもより顔の表情が崩れてるわ。
…そういえば、もうすぐね。学校。」

思い出したように母が言った。
僕は、顔がにやけるのを感じながら、うんと言った。


その後何日かたち、始業式の日になった。


生まれて初めて着る学校の制服。
まだ、制服に着られてるような感覚を覚えながら家を出る。


他の子はクラス発表を見てと騒いでいる。
僕はこの前と同じように職員室…というわけではなく、理事長室へと向かう。


理事長室に入るなり、チィとモモが制服から飛び出て、司さんに抱きつく。
僕は呆れながらその光景を見る。


その後、少し司さんと雑談をしながら時間をつぶした。


司「おっと、もう時間だ。
さあ行こうか（人1）ちゃん。」


（人1）「はい。」


そして、僕たちは理事長室を後にした。

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