1話 ページ3
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｢………は？ ｣
目の前に座るすかした笑みの相手になんとか絞り出したその一言は、夕刻の静かな生徒会室に虚しく響いた。
｢だから、今日から君は僕と生きてもらうよ｣
急に呼び出されたから何かと思えば。
いやそれよりも、天祥院が言っていることは分かってる。聞こえてるんだから。でも意味が理解できない。
｢ふざけないで。どういうこと｣
｢どういうことって言われても………そのままの意味だよ｣
｢だから突然そんなことを言われても分からないって言ってるの！｣
イライラする。分かってるくせにわざわざ聞いてくるこの男に。こんなやつと一緒に生きるなんて考えられない。
｢そうだね、じゃあ君のために説明してあげるよ。
君は今日から天祥院財閥の女性として生きてもらう。だから
｢………なんで私がそんなことされなくちゃいけないのよ｣
｢あぁ……それは帰ってからでもいいかな？
直接聞いてもらった方がはやいし、そろそろ迎えが来る｣
｢は、はぁ！？ちょっと待ってよ！！
まだ私は納得してないし、それ以前に父様と母様が私を手放すわけないでしょう！？｣
そうよ。あんなに私を
仮に西園寺家の娘のどちらか____姉の私か、妹の恋華を"渡せ"と言ったならば必ず恋華を選ぶに決まってる。
｢その件に関しては大丈夫だよ。
君のご両親____西園寺家の人達は二つ返事で了承してくれたよ｣
｢冗談言わないで。どうせお得意の話術で父様達を
｢はぁ……君はご両親を信じているのか信じていないのかよく分からないね。……いや、この場合は僕を疑ってるのかな
ともあれ、百聞は一見にしかず。そんなに信じられないなら帰りに君の家に寄ってあげるよ
そろそろ迎えが来るからとりあえず話はこれぐらいでいいかい？｣
何こいつ………意味わかんない。
｢嫌よ！そもそも私はまだ納得してないわ。貴方に従う義理なんてない！｣
｢ふふふ……それはどうだろうね。
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果たして君は、僕の____天祥院家の命令を、断れる立場に居るのかな？｣
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作者名：ペコの助 | 作成日時：2020年8月8日 22時
