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    思い ページ8

自室となる部屋に通され、燭台に明かりを灯す。


少しだけ三日月を鞘から抜き、刀身を見ながら思う。






一人で生きようと決めたのに。



一人でいようと決めたのに。




なぜ、入隊しようと考えたのだろう。





あの場にいた者を全て切り伏せる事も出来たのに。




なぜ――。







私は狼だ。


狼の中でも人に祀られ、神となった神狼の一族だ。




それでも、私は人間共と一緒にいたいとでも言うのか?





神は人間を愛するために生まれた


そう聞いたことがあるが、もしそれが本当であれば、私は一体。






どんなモノでも、人でも動物でも、祀られれば神となる。


それを祀るのは人間だ。





私は、人を愛することができるのか。




私は――。

    庭→←    入隊



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作者名:衣咲 | 作成日時:2015年10月5日 7時

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