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    飾り ページ5

言葉を飲み込んだのは、感傷に浸るためではなかった。


物音が聞こえたからだ。



「誰だ。」





男は動じずにあたりを見回す。


すると、傍の家の影に先ほどの女子が一人蹲っているのが見えた。







「さっきの女子か。……ッチ。」


?「あ、あの!助けて下さり、ありがとうございます……。」







いかにも弱くて、守ってもらわなければ消えてなくなってしまいそうな女子だった。


男は女子の腰に刀が下がってるのを見かけた。







「おい、女。その刀は飾りか?」


?「え?」






ムカつく。





?「こ、これは――…」




女子が刀に触れたとき、どこからか視線を感じた。




「ッチ。」





男は舌打ちすると、屋根の上に飛び乗ると そのまま駆けていった。





残された女子は浅葱色の羽織に囲まれていた。

    状況不明→←    男



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作者名:衣咲 | 作成日時:2015年10月5日 7時

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