壱話 噂話 ページ3
京には2つの噂があった。
一つは夜になると、白銀の美男が現れるということ。
もう一つは人気の多い都の傍にある山から遠吠えが聞こえる
というものだった。
平助「へ〜…、そんな噂が出回ってんのか〜。」
土方「あくまで噂だ。本気にすんな」
夕飯の席での話題は噂で持切りだった。
土方「このご時世だ。美男に飢えた女共が勝手に作り出した噂話だろう。」
沖田「まぁたまた〜。土方さんったら、出まかせ言っちゃって。」
土方「何が出任せだ?」
近藤「でもまぁ、我々新選組の下まで噂がくるっていうことは、よっぽどのことなんだろうなぁ。」
原田「っま、女好きの新八が持ってきた噂だ。にしても、この席で言う必要なんてあったか?」
永倉「おう。その噂、本当かもしれねぇってな。」
平助「どういうことだぁ?」
永倉「見たんだよ……。この前の夜の巡察で…。白い顔をした美男をなぁ――」
そこまで言ったところで山南の声がした。
山南「大変ですッ、羅刹が逃げ出しました!」
土方「何!?」
近藤「遅い時間だが、見られる可能性もある。
斎藤、沖田、あとトシ、行ってきてくれ。」
土方「わかった。」
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作者名:衣咲 | 作成日時:2015年10月5日 7時