休戦 ページ17
土方「気づいてたのか」
千景「隠れていたようだが、駄目だったようだな。」
「ダメだ。お前じゃこいつに太刀打ちはできん。」
土方「……んなもん、やってみなきゃわかんねーよっ!!」
土方はそう吐き捨て、千景に斬りかかっていった。
千景「ほう……やるな」
鬼に太刀打ちできる者がまだいたのか……。
「こうなれば、やつは止まらない。天霧、いるのだろう?」
Aが呼びかけると、向こうから長身の男が出てきた。
天霧「神狼殿――。久方ぶりです」
「話はまた今度だ。今は千景を止めろ。このままだとらちがあかんぞ。
無用な殺傷を好まないのであれば、他のやつらが来る前に止めるべきだ。」
天霧「……致し方ないですね。」
天霧は打ち込もうとした両方を止めにかかると、千景を説得させその場を出て行った。
「――大丈夫か?」
Aは藤堂の傷に触るぬよう気をつけて担いだ。
藤堂「お前……やっぱり、いいやつじゃねぇか――…」
「お黙り」
Aは平助の鳩尾を殴ると気絶させた。
沖田「そんなこと、しなくてもいいんじゃないの?」
「けが人は黙って休息をとってればいいんだ」
――その日に起きた騒動は、後に池田屋事件と呼ばれ、
新選組の名を京中、否、全国に広めるきっかけとなったのであった。
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作者名:衣咲 | 作成日時:2015年10月5日 7時