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    食事 ページ12

――夕方


夕日の光を浴びてAの髪は金色に輝いていた。





近藤「君の髪は――」


「……。」


近藤「光の当たり具合によって、色が変わるんだな。」


「……それが私の一族の証でもあるからな。」


近藤「一族……?」


「……一族、証といっても私しかいないのだけどな。」


近藤「どういうことだ――」


「――ここから先は、私があんたらを信頼できるようになってからだな。
 最も、そんなことはないだろうが。」


近藤「――…まったく、君って人は。」


「……あんたは。なんですぐ笑うんだ。」


近藤「……お?――ハッハッハ!なんでだろうなぁ。俺も、よくわからん。」


「――…そうか。」


平助「あ、ここにいた。近藤さんっ、と……白夜。飯だってよ!」

近藤「そうか。では、行くとしよう。」

「……。」


それでも動かない私を近藤は気に留めた。



近藤「どうした?白夜。」

「……私は、いらない。」

平助「どうしてだよ」

「私は人間が食するモノを食べない。」

近藤「……、断食でもしているのか?」

「いや、そう言われるならこう言おう。
 私は、人間が食べるモノを体が受け付けない。食べられないんだ。」

近藤「っ!?」

「そういうことで。」



そう言って自室に戻ろうとする私を平助が止めに来る。



平助「ま、待てよ!どういうことだよ!それ。」

「藤堂。あなたは私のこと、人間に見えますか?」

平助「……!!」


平助はAの瞳を見たのだろう。

獣のような目つきに怯む。


平助「……俺は。」


その時、千鶴の声が屯所に響いた。


千鶴「近藤さーん!白夜さーん!!どこですかー!」



「――とりあえず、私は食事には出ない。そのように土方さんたちにも伝えておいてくれ。」

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作者名:衣咲 | 作成日時:2015年10月5日 7時

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