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    拒否 ページ11

生憎、人間が食べるモノは体が受け付けない。

食べれるものは極僅かに限定される。



それだけで十分だった。


だが、なんだこの状況は。




?「えへへ。大丈夫ですよ、土方さんから許可は得てるんで」



なんで女と一緒に茶屋にいるんだ私は。




「お前、なんでついてきた。」

?「え……、だ、ダメでしたか?」

「……あぁ、迷惑だ。」



ダメだ。

この女を好きになれる自信なんてない。



「…お前、名前は。」

千鶴「あ、すみません。私、雪村千鶴といいます。あの、あの晩、助けて下さり――」

「悪いけど。」



私は言葉を遮る。



「仲良しこよしするために助けたワケじゃないし、感謝されるようなこともしてない。
 それに、お前――、斎藤は剣筋を認めてるようだがあの時の態度……、刀をさす意味がない。」

千鶴「そ、それは――」

「……私は人間が食べるようなモノは食べない。食べれない。
 この団子と茶はお前にやる。じゃあな。」




そう言って私は茶屋を去った。



団子なんてどこが旨いのやら。

ただ口の中で粘土のように転がるだけだし、茶なんて私ら狼にとって有害だ。



食べれるものじゃない。




さーて、どこへ行こうかなぁ。

任務という任務もないし、出歩く許可は千鶴が得てくれたようだし
(※茶屋に行くという許可だけ)


まぁ、そこらへん歩き回っていれば何かしらあるだろう。


ここらの地形は殆ど覚えてる。





でも、いつも屋根の上を歩き回ってたからな。


たまには、こうして低い位置から見わたすのもいいだろう。





――にしても、



「人が多すぎる……。」



これだから都は嫌いだ。

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作者名:衣咲 | 作成日時:2015年10月5日 7時

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