夢みたいな現実。48 ページ48
そう言って歌仙が取り出したのは、お盆を多数入れられるワゴンだった。
「ふふ、どうしたんだい? 顔を真っ赤にしてしまって」
……ま、まぁ、あるよな。宴なんて日常茶飯事だろうし、無きゃ逆に困るよね……
にっかりに笑われてしまった……はずかしっ!
「す、すみません……なんか、勘違いしてしまって」
「いやなに、勘違いなんて人にはよくある事さ」
そう当たり前のことを石切丸に言われただけなのに、なんだか救われた気がした。
「……有難うございます。 じゃあ自分の分持っていきますね」
とは言いつつも自分のだけ先に大広間に持っていく訳にも行かず、ワゴンに全ての食べ物を乗せるのを手伝ってから皆と一緒にいくことにした。
昼も話しかけられたりはしたものの、特に事故らしい事故は起こらず終わってくれた。
そして相変わらずご飯が美味しい。これは店出せるね。
などと考えながら足は私の、短かったが、恐怖の始まりである審神者部屋へと吸い込まれるように進んだ。
他の部屋と特に代わり映えのしない襖を開ける前に一声掛ける。
「審神者様。見習い菜乃、只今参りました」
「……うん、どうぞ」
なんかすっごいカッコよく言えてたよね、さっき私!
すごい!! スラスラ緊張とか戸惑いとか何もなしに言えたよ!
そんな興奮はさて置き、許可が出たのでスーッと襖を開ける。……いい音だな、ちゃんと掃除が行き届いてんだ。
「さて、そこに座って」
審神者様に指定されたところに座布団が一枚。ここに座れということか。
と言うか今更ながらこの空気に負けそう。なんだこの空気! 怖いよぉぉ! てか話って何!? 「やっぱ信用ならねぇなァ、ここでおさらばだ!」とか……?
……うん、止めよう、そういうネガティブ思考。余計怖くなってくるから。
というかあれ__
「近侍の方はいらっしゃらないんですか?」
そう、近侍であるはずのまんばの姿が見えないのだ。なんだろ、ケンカかな?
……いやいや、絶対無いでしょ。てかなんならそのケンカ私が原因でしょ。バッキャロイ。
「ああ……まんばなら、まずこの話し合いがある事知らないよ。彼がいるとなんかややこしくなるから」
そう言って困ったように笑う。そして私もつられるように笑う。……つまりはそういう近侍には秘密な事をこれから話されるんですね? そうですね?
嫌だァァ!!今度こそまんばに殺されるゥゥ!!!
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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時